Linuxで「X」というと、X Window Systemだ。
Linuxは黒いコンソール画面でコマンドだけで操作することが多いが、WindowsやMacのようにマウスで動かして、という環境で作業を行うこともできる。これをするために使うのがX Window Systemになる。
X11はX Window Systemのためのソフトウェアで、このページではその概要とインストール方法について解説した。
目次
Xとは? & X11とは?
X Window System
Linuxにおいて「X」とは「X Window System」を指す、現代のLinuxにおいてはXWindowSystemの実装として「X.org」が「X.Org Foundation」によって提供されている「X11」とよばれることもある。
役割としては「UnixLikeSystem上でのGUI基礎環境の提供」である。呼び方は色々あるがLinuxにおいて「X」といえばX Window Systemを指していると考えてほぼ間違いない。
X.orgはLinux上のGUI環境においてデファクトスタンダードであり、GUI環境を構築する上では必須のものだが、あくまでも基礎機能の提供であり、厳密なユーザインターフェイスを提供してくれるわけではない。
リッチなデスクトップ環境には?
Linux上でリッチなデスクトップ環境を構築する場合、レイヤが「Linuxベースシステム」「XWindowSystem」「GNOME」と大まかに三層にわかれることになる。GNOMEデスクトップ環境がしょうにあわないのならば、自分の好きなデスクトップ環境「KDE」や他「ウィンドウマネージャ」を使用することも検討できる。
ユーザインターフェイスはユーザに選択肢が提供される形になっている。この点最初からGUI前提のWindowsユーザは戸惑うかもしれないが、サーバ環境ではミニマルで堅牢なCUI環境を、デスクトップの場合はその上に覆いかぶさるようにGUIをもうけた方がシステムとしては柔軟だ。
もちろん、カスタマイズが自由にできる分、難易度は高いが!
インストールとGUI環境の起動
現代においてCentOSに限らずLinuxはデスクトップ環境を指定してインストールをおこなえば十中八九、Xはインストールされる。
またサーバとして使用する場合はXはインストールしない場合が多いので、入門者がXを手動でインストールする場面はほぼないだろう。
あるとすれば「最小限環境から自分の好きな環境を自分で選択して構築したい」というユーザが対象となるが、これも汎用的なディストリビューションであれば間違いなくパッケージが存在し、昨今のシステムは依存関係も解決してくれるのでインストール自体は、さほど難易度は高くはない。
CentOS7の場合
# yum groupinstall "X Window System"
とすると「XWindowSystem」一式がインストールされる。
追加で「GNOMEデスクトップ環境」がほしい場合
# yum groupinstall "GNOME Desktop"
としてGnome環境をインストールする。このコマンドを実行すると、ほぼデスクトップ環境を指定してインストールした状態と同等になる。
# systemctl set-default graphical.target
起動モードをグラフィカルにする。
再起動すればGNOMEデスクトップ環境へログイン出来るはずだ。
設定
現代においてXはほぼデバイスを自動認識するため、特殊なケースでないかぎり設定ファイルの記述は必要ない。
$ startx
もしくは別のページで紹介するディスプレイマネージャを使用してXが起動することになる。(このページではgdmを使用している)
現代ではほぼXの設定ファイルを手書きすることはないが、設定ファイルの書式は把握しておこう。
一般的に設定ファイルは「/etc/X11/xorg.conf」部分的に個別設定する場合は「/etc/X11/xorg.conf.d」の下に設定ファイルを保存することになる。
またスケルトンを生成するには
# Xorg -configure
とコマンドを入力する。すると「/root」に「xorg.conf.new」が生成される。しかし必ずしも適切な設定ファイルが作成できるわけではない点に注意しよう。
# cp /root/xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf
として設定ファイルを設置する。
X -config <設定ファイル>
とすると設定ファイルを指定してXを起動することが出来る。
実際の設定ファイル(Xorg -configureにより生成されたもの)
- ServerLayout ではXで制御される入出力デバイスについて定義している。
- File フォントなどのファイルのパス名
- Module取り込むモジュール群の指定
- InputDevice マウスやキーボードの指定
- Monitor モニタの指定
- Device 実際に使用するドライバなどの指定
- Screen ディスプレイの色深度やサイズを指定
まとめ
このページではLinuxの「X」とは、についてお伝えしてきた。また、X11のインストールについてもお伝えをしてみた。ほとんど使う機会がないので、こういった風に使えるだ、というレベルの理解で十分だろう。
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