プログラミングに関する書籍はたくさんある。本屋に行けばプログラミングの本がところ狭し、と並んでいる。
これだけ多いと初心者の方が勉強しようと思っても、どの本を手に取ったらいいのか悩むのではないだろうか?
ここでは、これからプログラミングを始めようというあなたに、ぜひとも読んで頂きたい入門書を紹介する。
スキルを身に付けるためのものだけでなく、プログラミングというものに興味を持って頂けるような書籍をセレクトしたので、書店で見かけた際には、是非とも手にとって頂きたい。
目次
- 1 プログラミング初心者に読んでほしいおすすめ入門書12選
- 1.1 プログラミングを始めたい人がいちばん最初に開く本
- 1.2 教養としてのプログラミング講座
- 1.3 おうちで学べるプログラミングのきほん
- 1.4 情熱プログラマー
- 1.5 WEB+DB PRESS(雑誌)
- 1.6 よくわかる HTML5&CSS3ウェブサイト構築の基本と実践
- 1.7 14歳からはじめるHTML5 & JavaScriptわくわくゲームプログラミング教室
- 1.8 10日でおぼえるPHP入門教室
- 1.9 苦しんで覚えるC言語
- 1.10 基本情報技術者 大滝みや子先生のかんたんアルゴリズム解法
- 1.11 Raspberry Piではじめる どきどきプログラミング
- 1.12 プログラムはなぜ動くのか
プログラミング初心者に読んでほしいおすすめ入門書12選
それではおすすめの入門書をご紹介していこう。もっとご紹介したいところだったが、あまりに多すぎると選べなくなるので12冊に抑えてお伝えする。
プログラミングを始めたい人がいちばん最初に開く本
出典:日経BP
まさにタイトル通り、最初に開いて頂きたい本だ。
この書籍では、実践的なプログラミングを学ぶというよりは、プログラミングとはどんなものかを学ぶことができる。様々な具体例を交えて解説している。
プログラム言語の種類や、職種・年代別のプログラミングへの入り方、言語を限定しないプログラミングのコツなどは、他の書籍には無い読みやすさを感じる。
また、難しい言葉を並べていないところも、親しみ易いのではないだろうか? プログラミング学習の合間に息抜きとしても読める本だ。
教養としてのプログラミング講座
「教養として」というタイトルがマーケティング的に秀逸で先行しすぎたため、賛否両論ある本だが、入門者が読み物として読むにはわかりやすく楽しめる本だ。
『とっつきやすいプログラミング雑学講座』くらいの内容だと思って読むといいだろう。プログラミングと生活との関わりや、プログラミング的な物事の考え方といった視点を紹介している。
また、プログラミングの具体例として「MOONBlock」というものを紹介している。これがプログラミングなの?と思わせるユニークな仕組みを取り入れた教育用のプログラミング言語で、プログラミングの入り口を体験するには優れたツールと言える。
パソコン操作をしながら学ぶというよりも、プログラミングを題材とした読み物として気軽に読んで頂きたい。
おうちで学べるプログラミングのきほん
出典:翔泳社
「プログラムが動く仕組み」を家で確認しながら勉強できる本だ。
この本を読むと、プログラミングがどういう仕組みで動いているか、理解できるようになる。機械語やカーネルといった言葉はプログラミングを勉強する上で、はじめから知っておいて損はない。難しい用語が簡単に語られている部分に好感が持てる本だ。
情熱プログラマー
「プログラミングを勉強するために」というよりも「プログラマーとして生きて行くには」を主題にして扱った本だ。
著者の熱が伝わって来る良本だ。プログラミング学習をはじめる前に読んでおくと、プログラミングへの取り組み方がガラッと変わる。
「一番下手くそでいよう」「一に練習、二に練習」など心に響く内容が多く、現役エンジニアにも人気がある。
プログラマーのための成功哲学本とも言える本だ。心から、ぜひ読んでほしい。
WEB+DB PRESS(雑誌)
出典:技術評論社
少し趣向を変えて、雑誌もご紹介する。WEB+DB PRESSは雑誌として偶数月に刊行されているものなので、最新のものを手にとっていただければ構わない。
Web技術を中心に、毎号様々な特集が盛り込まれている。本屋に行った際は、技術書コーナーだけではなく、こういった雑誌も手に取ってみるのがいいだろう。
雑誌をお勧めする理由としては、プログラミングへの敷居が低いからだ。読みやすく面白いコラムのようなコーナーも充実していて、どこから読んでも楽しめる。
本誌は最新技術に対するアンテナとしても優れており、技術者として常に成長を続ける為にも定期的に読んでいきたい雑誌だ。
また、本誌に限らずコンピュータ関連の雑誌には近年の技術動向が反映されており、どんなものでも構わないので、定期的に購読することをオススメする。
よくわかる HTML5&CSS3ウェブサイト構築の基本と実践
出典:FOM出版
Web系のサービスはプログラミング学習の入門としておすすめだ。勉強していて動きがわかりやすく、面白いというのがその理由である。
黒い画面で数字が羅列しても正直面白くない。しかし、いつも使っているWebサイトやWebサービスのようなものが作れたら、だんだん楽しくなってくるものだ。
本書は、Webプログラミングの大前提となるHTMLとCSSを学ぶための学習テキストである。HTMLとCSSとは、ホームページやWebサービスの画面を作る為の技術だ。
テキストの指示に従って、HTMLやCSSを記述していくだけで、立派なホームページが作成できる。一つのサイトを題材として、章を進めるごとに拡張していくスタイルも、初心者の学習テキストとしては取り組みやすいだろう。
何から手を付けたら良いかわからない方にはお勧めのテキストだ。
14歳からはじめるHTML5 & JavaScriptわくわくゲームプログラミング教室
出典:ラトルズ
この本では、前述のHTMLとCSSに加えて、JavaScriptというプログラミング言語を使うことで簡単なゲームを作っていく。
HTML・CSS・JavaScriptというWebサービスの基本的技術が自然と身に付けられるのが嬉しい。
率直に言って14歳では厳しい。しかし、大学生以上からプログラミングに取り組むのであれば、わかりやすく、いい本だ。PCでもスマートフォンでも動くパズルなどを作ることができる。
なるべく簡単に書こうという著者の心意気も伝わってくる。恥ずかしがらずに手に取ろう。良書だ。
10日でおぼえるPHP入門教室
10日でおぼえるシリーズは、プログラミング学習テキストのベストセラーだ。ここでは、その中でも取り組み易い1冊として、PHPのテキストを紹介する。PHPはプログラミング言語のひとつで比較的簡単な言語として人気だ。
学習テキストとして10日分のカリキュラムが組み上げられており、説明を読みながら演習問題に取り組む形で進めていく。
「10日で」とあるが、プログラミングが全く初めての人には厳しいスケジュールとなっているため、自分のペースで進めれば良いだろう。
入門書ながらも、Webシステム開発で活用されるセッション管理やデータベースとの連携なども丁寧に解説されており、1冊がしっかりとマスター出来れば、PHPの初心者から卒業できるレベルにまで達することが出来るだろう。
プログラミングは、何よりも実践で身につけることが重要であり、その意味では優れた1冊と言える。
また、本書はシリーズ化されており、他のプログラミング言語のものも多数刊行されている。学習用テキストとして活用すると良いだろう。
苦しんで覚えるC言語
出典:秀和システム
名前からして避けたくなるかもしれない。
しかし、プログラミングを本格的に学ぶのであれば、一度は目を通して頂きたい1冊だ。結果的に苦しまずに済むという名著になっている。
C言語にかぎらず、プログラム言語を学ぶ際には、「初心者向けの暗黙の了解」のようなものが存在する。例えば、C言語では、プログラムの先頭に「#include <stdio.h>」という記述が必要となる。
初心者向けの「やさしい~~」や「~~入門」というビギナーに注目されるタイトルの解説書では、「詳しい意味は置いといて、まずはこのように書くものだ」という記述でお茶を濁しているものも少なくない。しかし、本書ではしっかりと説明しており、その他のC言語の苦しいところも、隠さずに真摯に向き合っているあたりは、真の技術者を目指す方に向けられた1冊と言えるだろう。
結論的には、入門者に適したいい本だ。C言語なので、つらいところもあるが、優秀なエンジニアを目指すなら手に取っておきたい。
基本情報技術者 大滝みや子先生のかんたんアルゴリズム解法
出典:リックテレコム
基本情報処理という資格試験の本だが、資格対策のためではなく、プログラミングの基礎固めのために読んでおきたい本だ。
アルゴリズムとは問題を解くときの手順のことだ。流れ図というのは、それを図示したものだ。
まずはアルゴリズムと流れ図を書けるようにしてほしい!というベテランエンジニアも多い。
ひとつのプログラミング言語に偏らない、普遍的な考え方が身につく本である。試験そのものに興味が無くとも、是非とも一度は目を通して問題に挑戦してもらいたい。
Raspberry Piではじめる どきどきプログラミング
出典:日経BP
これまでに紹介した本とは異なり、ややハード面の書籍を紹介する。また、プログラミングというよりエンジニアとして知っておきたい、触っておきたいというものだ。
Raspberry Piとは、手のひらサイズの小型のコンピュータの事で、数千円で購入できる。
この書籍では、Raspberry Piを使ってプログラミング環境を作り、実践するまでの手法が非常に丁寧に書かれている。Raspberry Piそのものが楽しいし、その上でプログラミングを勉強するのもわくわくする。
文章中にルビが振られているなど、低年齢層をターゲットに書かれているが、内容は決して幼稚なものでは無い。
また、基盤剥き出しの小型コンピュータを扱うあたりは、電子工作的な楽しみもあって非常に興味をそそられる。
プログラミングは「scratch」というものを紹介しているが、こちらも前出の「MOONBlock」と同様に、教育用のプログラミング言語だ。
とはいえ、Raspberry Pi自体は小型とはいえ本格的な「コンピュータ」なので、本格的なプログラミングの学習にも利用出来る。インストールされているPythonというプログラミング言語などを使えばRasberry Piと組み合わせて防犯カメラなどを作る事も可能だ。
表紙の可愛らしさにとは裏腹に、非常に高度な内容を学べる一冊で、おすすめだ。
プログラムはなぜ動くのか
出典:日経BP
最後になるが、これだけは読んで欲しい1冊を紹介する。
本書は、初版が15年以上も前に刊行され、現在は第2版が店頭に並んでいる。帯の言葉通り、10年後も通用する基本という言葉がふさわしい。すでに10万部以上売れているIT技術書では稀に見る大ベストセラーだ。
著書の矢沢氏の明るい性格も投影され、プログラミングを学ぶ上で、実はあまり理解されていない「プログラムが動く理由」が非常に明快に解説されている。
CPUやメモリとの関係、Windowsの仕組みにも触れており、まさに「どうやって動く」を中心に、図表など視覚的な解説が多く、とても読みやすい一冊だ。
プログラミング未経験者でも十分楽しめ、また基礎力が付く内容になっている。これからプログラミングを学ぼうという方は手に取ってほしい。
また、多少なりとも学習が進み、演習プログラムの一つや二つ作れるようになってから読むと、さらに上の理解も得られるはずだ。何度でも読み返したい必読本だ。
まとめ
ここまで10冊の書籍を紹介してきた。いずれの書籍もプログラミングに関する知識が無い段階から読めるものばかりだ。
上記の他にも、素晴らしい解説書や手元に置いておきたい辞書的な書籍も多く存在するが、大切なのは興味を持って取り組む事に他ならない。
あなたがプログラミングにチャレンジするのであれば、単に技術の習得を目的としたテキスト学習やマニュアル暗記に終止するのでは無く、雑学的な内容も交えながら、自らが意欲的に知識を習得する事も意識する挫折することなく学習を進められるだろう。
ぜひ、ここで紹介した書籍も1,2冊手に取って読んでいただき、プログラミングの楽しさを体感してほしい。