From: リスキルテクノロジー 松田航
新宿本校にて、、、
完成している商品は
価格が設定されていますが、
システムは受注してから作ることが多く、
価格がいくらになるのか決まっていません。
しかし、それでは売りようがないので、
あらかじめ見積りしてから価格を決めます。
今日はシステム開発における
見積りについてお話ししましょう。
見積りはプロジェクトの成否を左右する
システム開発において
開発費用の見積りはとても重要です。
見積り金額が多すぎると
受注できませんし、
見積り金額が少なすぎると
受注できたとしても大変な目にあいます。
割とよくあることなのですが。。
そのため、
見積りに求められるのは正確性です。
500万円で作れると思ったものが
実際には1,000万円かかるとなると、
プロジェクトは大赤字になります。
見積りは、
「プロジェクトの成否を左右する」
...と言われのもまま理解ができます。
パッケージシステムは
価格が設定されているものが多いですが、
カスタマイズする場合には、
やはり見積りが必要になります。
社内開発でも
どれくらいの費用や期間がかかるかを
見積もったうえで開発しなければいけません。
どのような形態の開発でも
見積りという作業は必ず発生するのです。
工数の考え方と代表的な工数見積りの手法
見積りでは、
「工数」
...という単位が使用されます。
工数とは作業量を表す考え方のことで、
1人日 = 1人が1日(約8時間)で作業する量
...という意味です。
たとえば
最終的に100人/日かかる案件の場合、
100×開発単価(人件費など)+管理費+交通費など
...のようにして開発費用を算出します。
システム開発における工数見積りには
いくつかの手法があります。
代表的なものをご紹介しましょう。
■トップダウン見積り法
システム全体をまず見積り、
そこから工程別に工数を細分化してゆく方法です。
見積もる人の経験によって
正確性が大きく左右される方法ですので、
あまり経験のないエンジニアには向いていません。
■係数モデル見積り法
過去の事例などから
見積りのモデルを設定し...
そのモデルに対して
開発規模などを考慮した係数を加え、
数学的に工数を算出する方法です。
採用される見積りモデルによって、
正確性が左右されるという特徴があります。
■ボトムアップ見積り法
各工程で作成する
設計書などの成果物や作業内容を細かく分けて、
それぞれの要素に必要な工数を積み上げる方法です。
それぞれの作業は、
WBS(Work Breakdown Structure)
...という手法で細かく分けられ、
作業ごとにどれくらい工数が必要かを見るので、
比較的正確な見積りが作成できます。
この他にも
さまざまな手法がありますが、
実際には複数の手法を組み合わせて
見積りが行われるケースがほとんどです。
それでも尚外れることも多く、
いわゆる炎上というのは見積もりの甘さが
原因だったりします。
リスクを考えることも大切
見積りするにあたっては、
「リスクを考える」
...ということも大切です。
最初は簡単だと考えていたが、
実は難易度が高いということがわかり、
開発工数が増えてしまうこともあります。
このような
不測の事態に対応できるように、
リスクを考えたうえで見積もる必要があります。
あまりリスクばかり気にすると
正確性に欠けてしまうので問題ですが(笑)
難易度が高い機能の開発などは
リスクを考慮した上で見積もるのが良いでしょう。
また、
次から次へと追加仕様が増えてしまい、
予定していた工数では作れなくなることもあります。
このような追加仕様対策としては、
「大幅な仕様追加が行われる場合は再見積りする」
...という条件を付ける企業が多いです。
見積りは作る前のことですので、
依頼する側もされる側も予測できないことがあります。
予測できないことも
発生するということを踏まえた上で、
できる限り正確な見積り作りが必要なのです。
できるかぎり正確な見積りで
安全なプロジェクトを
システム開発を行う企業には
独自の見積り方法を持つ企業もあります。
複数の見積り法を組み合わせて
企業独自の視点を設けて見積りを行いますが、
それでも不確定要素などで
プロジェクトが赤字になる場合もあるのです。
見積りは航海準備に似ています。
太平洋を船で横断するのに
どれくらいの燃料、食料が必要なのかというように、
必要なリソースを予測して、
安全な航海ができるようにしなければいけません。
プロジェクトを安全に進めるには
正確な見積りが必要不可欠であることを
しっかりと覚えておいてください。
リスキルテクノロジー
松田
PS
あなたが憧れのエンジニアになったら
どんな作業にどれくらい時間がかかるのかを
覚えておくようにしてください。
最初の内は時間がかかりますが、
経験を積むにつれてスピードアップしてゆきますよね。
その作業時間の違いから
未経験者が開発に必要な工数と、
経験者が開発に必要な工数の目安がわかるのです。
あなたがプロジェクトを
管理する立場になったとき...
未経験者と経験者の
作業工数の目安がわかっていれば、
プロジェクトの計画を立てやすくなります。
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