「エンジニアになりたい」
と思ったとき、そもそもどのような職業を思い浮かべているだろうか?
実は世の中にはたくさんエンジニアの種類がある。
何かしら研究したり作ったりしているのがエンジニアだが、その範囲はどれも専門的で、エンジニアと一言で言っても千差万別だ。
このページでは、エンジニアの種類を総まとめした。エンジニアになりたいと思っているのであれば、ぜひ参考にしてみて欲しい。
IT関係のエンジニア
IT関係だけでもたくさんのエンジニアがいる。あなたがIT機器の恩恵を受けない日はないだろう。
スマートフォンしかり、日用品の購入しかり、ATMで現金の引き出しや振り込みを行う際も、すべてIT技術が関わる。
しかしIT化が進んだ昨今、例えば整形外科医が消化器の病気を診られないように、ITも専門分野があり、細分化が進んでいる。
この項ではその「診療科目」に通じたエンジニアを紹介しよう。
システムエンジニア
いわゆる想像しやすい、コンピュータエンジニア。インターネットで使ったり、スマートフォンで使ったり、銀行で使ったりするITシステムの設計や構築を担当する。
顧客が仕事をもっと楽にしたいという要望を受け、コンピュータで簡便化したり効率化したり、どういうプログラムがあれば楽になるだろうかと一生懸命考えるエンジニアだ。
下のプログラマーもここに入ることがあるが、IT業界では少し意味が異なる場合が多い。
プログラマー
こちらも同じようにわかりやすいエンジニアだろう。というより、IT業界以外の人から見るとシステムエンジニアの見分けがつかない。
プログラマーは、日本ではシステムエンジニアの下流工程を指すことが多い。プログラマーは設計などをせずに作業をする人のイメージだ。
そういった意味では、プログラマーとして修行を積んでからシステムエンジニアになるのが一般的だ。
実際には大規模サービスでない限り、設計およびプログラミングを両方やっていくスタイルも取り入れられるようになっている。
データベースエンジニア
たくさんの情報を効率よく検索するには、データベースエンジニアの専門的知識が欠かせない。
例えば図書館や書店は、ある基準を持って本が並んでいる。おおざっぱに小説、コミック、新書、雑誌などというように、並び順に法則がある。
さらにその中でも書名順か、著者順か、整理する人にもよるが、整理整頓されていれば目的の本は見つけやすい。
データベースエンジニアは「どう並べたら早くなるか」「いったいどれくらいのデータを扱うか」といった、コンピュータシステムの司書にあたる役を担う。
ネットワークエンジニア
情報通信網を維持する仕事だ。今こうしてインターネットを見られているのは、日夜ネットワークエンジニアが頑張っているからだ。
目には見えないところでどこか通信に以上はないか、不正な侵入はないか、日夜見張っている。
どこで何をしているか、まるで一般人の目に触れないが、受けている恩恵は余りに大きい。
セールスエンジニア
普通のセールスマンより技術情報に詳しく、顧客と技術用語を使って仕事の話を進められる人をこう呼ぶ。
セールスマンが無理な契約を取り付けたりしないよう間に入りつつ、エンジニアに下準備をしてもらったりと、顧客と開発の橋渡しとなる役目である。
組み込みエンジニア
ガラケーや電子手帳など、パソコンではなくとも何かしら情報処理を行っているような機器は、彼ら組み込みエンジニアが活躍してできている。
パソコンと違って処理能力が高くないので、独自の技術が求められる。
フロントエンドエンジニア
最近の見た目が格好良くてよく動くウェブサイトは高度なプログラミングからできていることが多い。しかも他のプログラミング言語と比べ、要求される技術分野で特殊で、新しい技術が次々出てくる。
フロントエンジニアはそうした技術に特化した、サイト作りの専門家だ。
もしあなたが勉強好きで新しもの好きなら、うってつけだ。
セキュリティエンジニア
最近よくニュースで聞くように、個人情報はとても貴重である。
もし預かった情報が漏れたりしたら、損害賠償は青天井となるし、なにより企業としての信頼は地に落ちる。
セキュリティエンジニアはコンピュータウイルスや情報漏洩の防止について、本当にこれで安全か、誰からも不正な侵入は受けないかといつもアンテナを張っている。
インフラエンジニア
コンピュータシステム全体で、どこに何台サーバがあるかなど、大きな枠組みを設計するエンジニアだ。
データベースエンジニアやネットワークエンジニアと協業することも多いが、こちらはサーバの機器設定や、置き場所について考えるエンジニアだ。
チーフエンジニア
プログラマーとして成長すると、やがて設計をこなせるようになり、システムエンジニアにステップアップするが、場合によってはモノ作りが好きなので設計をせずにプログラミングを続ける人もいる。
チーフエンジニアと呼ばれる場合、ほとんどのケースでそういった職人肌に対しての肩書きである。
機械・工学のエンジニア
ITに詳しくない人はこちらの職業を想像するかもしれない。小説「下町ロケット」に出てくるような、腕利きの職人たちだ。
モーターエンジニア
電気の力で回転を得る、みなよく知っているモーターを設定する技術者だ。
おもちゃに組み込めるような小さなものであったり、より静かな扇風機を作ったり、果ては電気自動車の動力も作っている。
これからの時代、電気自動車が主役となったら活躍の場は多いだろう。
プラントエンジニア
モーターを自分で回すと、電力が発生する。つまり発電機だ。
水力しかり風力しかり、動力に応じて最適な構造の発電機を作ったり維持したりの仕事だ。
船舶エンジニア
文字通り、船の設計を船の設計を行うエンジニアだ。
もともと日本は船造りが得意な国で、今も昔も日本の船が世界中航海している。
航空エンジニア
飛行機を設計するエンジニアだ。
最近、国産の戦闘機が初飛行に成功した通り、日本は航空技術関連で存在感を高めてきている。
電気工事エンジニア
あなたも家で電気を使っているが、電気は発電所から来て、変電所を経てあなたの家まで届く。
電気は便器な反面、非常に危険だ。屋内の工事を行うには資格が必要である。
とある人気のゲームで気軽に100万ボルトを扱っているが、これは「高圧・特別高圧電気取扱特別教育」という講習を受けなれば扱えない電圧にあたる。
土木エンジニア
街でビルを建てたり、山にダムを造ったり、およそ地図に載りそうな大きさのものをつくるとき、そこには土木エンジニアがいる。
溶接エンジニア
工事現場でバチバチと強い光を放ちながら、仮面のような顔ガードを片手にしていたらその人は溶接エンジニアだ。
金属と金属を繋げ、ビルの鉄骨や、果ては橋まで作ってしまう。
非破壊検査エンジニア
何かものが故障したとき、通常は分解して中を見るが、非破壊検査エンジニアは中身を外から精査する。
検査方法には、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験、などがある。
プレス加工エンジニア
真っ平らな鉄板を原料に、狙い通りの形になるように機械でドンッ、と形を整える。
簡単そうに聞こえるが、数トンもの力で一気に鉄板を曲げてしまう力がどの程度で、そしてどれだけ危険な仕事か想像は付くだろう。
旋盤エンジニア
旋盤と呼ばれる、高速で回転する機械に元の材料を取り付けて、大根のかつらむきでもするように金属を削って成形するエンジニア。
ヘラ絞りエンジニア
旋盤加工が円筒状の材料を使うが、こちらは円形の鉄板を使って成型する。
新幹線や飛行機の先端を思い起こして欲しい。壺のような立体が取り付けられているだろう。
あれはただの円盤だったものをヘラ絞りエンジニアがあのような形に成型したものだ。
ボイラーエンジニア
蒸気機関は便利な反面、高圧力で高温と危険な要素があふれている。
ボイラーエンジニアは安全を確保しつつ今日の日本の動力を支えている。
建築士
エンジニアというよりアーキテクチャに近いが、建物の強度計算をしたり図面を引いたり、エンジニアであると言ってもよかろう。
宇宙工学エンジニア
ロケットを飛ばすことを考えるとき、いかにも国家事業のように考えがちではなるが、最近は民間で宇宙に荷物を届けよう、宇宙のゴミを掃除しようを考えている企業もある。
当然自前でロケットを飛ばすのだから、メカ好きにとってはたまらないだろう。
化学のエンジニア
こちらは白衣に身を包み、日夜顕微鏡を覗いたりしているエンジニアだ。
ケミカルエンジニア
日常の様々な暮らしを、もっと化学的手法で便利に安全にできないか考えているのが化学エンジニアだ。
材料工学エンジニア
汗を吸うと発熱するシャツや、触るとひんやりする素材を作り出すため、様々な物質を混ぜ合わせたりいろんな環境に置いたりする実験をくり返すエンジニアだ。
環境・農業のエンジニア
環境エンジニア
公害・騒音・汚染などを未然に防ぐためにどうするべきか施策を考える地球の味方となるエンジニアだ。
アグリエンジニア
ハウス内で安定して、病気や害虫もなくおいしい野菜を作るための技術を磨いているエンジニアだ。
樹木医
日本には樹齢数百年を超す立派な樹がたくさんある。これらの樹がいつまでも雄大な姿を保てるよう、健康診断する仕事だ。
医療に関わるエンジニア
病理医
医師の一形態なのでエンジニア扱いするのも不思議かもしれないが、人体を機械としてみたとき、その詳しい故障原因を探る意味ではエンジニアと言えよう。
臨床検査技師
医療のエンジニアといったらこれが筆頭だろう。
たとえば採血されたら、あの試験管を受け取るのは彼らだ。他にも病変部を染色したり組織の切片を作ったりと、医療診断の技術的側面の主役だ。
レントゲン技師
レントゲンだけではなく、CTスキャンやMRI、体の中をのぞく専門家だ。
臨床工学士
手術中、主役はもちろん執刀医だが、人工心肺やその他生命維持装置の操作は彼らが担当している。
歯科技工士
いわゆる入れ歯職人である。歯科医が取った型を元に技師を作るのだが、かみ合わせに問題があると体験なので、経験を要する。
義肢装具士
写真引用:http://www.grdkingdom.com/2015/04/blog-post_16.html
義手・義足を作る仕事だ。なくなってしまった手足の位置な太さは当然千差万別で、その人その人に合わせた義肢を作るにはまさにエンジニアの仕事である。
まとめ
いかがだっただろうか。世の中「エンジニア」やそれに類する職業はまだまだ数え切れないほどある。
流体力学系のエンジニアや熱力学エンジニア、車系のエンジニアなどピックアップすればキリがない。
恐らくあなたはITエンジニアを志している可能性が高いだろう。しかし、物作りや設計などがしたければ他の職業も色々と選択できるはずだ。
まずは知っておくことで、自分のキャリアプランの参考にしてほしい。
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