Gitとは、バージョン管理を行うツールの1つだ。バージョン管理は数多く存在するが、ここではGitを紹介する。
Gitインストール方法
Gitはバージョン管理システムのひとつであり分散型と呼ばれている。そのGitのインストール方法を表示される画面の順に従って説明を行う。
ダウンロード
「git for windows」の公式サイト(URL: https://git-for-windows.github.io/)よりインストーラーのダウンロードを行う。
ダウンロードは「Download」ボタンを押すことによって始まる。
インストール方法
ダウンロードが終わると、ダウンロード・フォルダーに最新バージョンのインストーラー(OSに応じてGit-2.13.2-64-bit.exeまたはGit-2.13.2-32-bit.exe)が格納される。この記事を書いている時点では、最新バージョンが2.13.2である。
ダウンロードされたインストーラーをダブルクリックすると、インストーラーが起動される。
インストーラーを起動すると、最初に「ユーザ・アカウント制御」の画面が表示されるので、「はい」ボタンを押す。
インストーラーがコンピュータの変更を許可すると、GNUのライセンスに関する「Setup – Information」画面が開き、ライセンスについての記述が表示される。内容を確認して「Next」ボタンを押す。
Gitをインストールするフォルダーを指定する画面「Setup – Select Destination Location」が開くので、インストール先のフォルダーを確認し「Next」ボタンを押す。この場合はデフォルトのフォルダーである。もし、他のフォルダーを指定したい時は「Brose...」ボタンを押してインストールしたいフォルダーを指定し、「Next」ボタンを押す。
インストールするコンポーネントを選択する画面「Setup – Select components」が開くので必要なコンポーネントにチェックを入れて「Next」ボタンを押す。
- Additional Icon → On the Desktop:デスクトップへのアイコンの追加を行う。
- Windows Explore → Git Bash Here:エクスプローラーの右クリックメニューのリストに「Git Bash Here」を追加する。
- Windows Explore → Git GUI Here:エクスプローラーの右クリックメニューのリストに「Git GUI Here」を追加する。
- Git LFS (Large File System):Git LFS(大きなサイズのファイル・システム)の導入を行う。
- Associate .git* configuration files with the default text editor:デフォルトのテキスト・エディターと「.git*」コンフィグレーション・ファイルを関連付ける。
- Assiciate .sh files to be run with Bash:Bashと「.sh」ファイルを関連付ける。
この場合はデフォルトの設定である。
メニューフォルダーを選択する画面「Setup – Select Start Menu Folder」が開くのでフォルダーを設定し「Next」ボタンを押す。この場合はデフォルトの設定である。もし、他のフォルダーを指定したい時は「Brose...」ボタンを押してフォルダーを指定し、「Next」ボタンを押す。
Setupは指定されたスタートメニューフォルダーにプログラムのショートカットを作成する。
PATH環境を設定する「Setup – Adjusting your PATH environment」画面が開くのでオプションを選択し「Next」ボタンを押す。PATH環境の設定によりGitのコマンドに加えてWindowsやUnixのコマンドを併用することができる。それぞれのオプションの意味は次の通りである。
- Use Git from Git Bash only:最も安全な選択であり、このオプションを選ぶとPATHが変更されることはない。そして、Git BashからのGitコマンド・ライン・ツールのみを使うことが可能になる。
- Use Git from the Windows Command Prompt:現在の環境がオプションのUnixツールと混じることを避けるために最小限のGitラッパーを環境に追加する。Git BashとWindowsコマンド・プロンプトの両方を使うことができる。
- Use Git and optional Unix tools from the Windows Command Prompt:現在の環境にオプションのUnixツールをPATHに追加する。警告:「find」や「sort」のようなWindowsツールが上書きされる。この実装についてよく理解できている場合にのみこのオプションを使用することが望ましい。。
ここでは、デフォルトの「Use Git from the Windows Command Prompt」を選んでいる。
HTTPS接続の設定をする「Setup – Choosing HTTPS transport backend」画面が開くのでオプションを選択し「Next」ボタンを押す。それぞれのオプションの意味は次の通りである。
- Use the OpenSSL library:サーバー認証はca-bundle.crtファイルを使って行われる。
- Use the native Widows Secure Channel library:サーバー認証はWindows Certificate Storeを使って行われる。
ここでは、デフォルトの「Use the OpenSSL library」を選んでいる。
テキスト・ファイルの行末の変換を設定する画面「Setup – Configuring the line ending conversion」が開くのでオプションを選択し「Next」ボタンを押す。それぞれのオプションの意味は次の通りである。
- Checkout Windows-style, commit Unix-style line endings:Gitはテキス・ファイルのチェックアウトを行う時LFをCRLFに変換する。テキスト・ファイルをコミットする時CRLFをLFに変換する。クロス・プラットフォーム・プロジェクトのためにWindowsに対して推薦される設定である。(「autocrlf」が「true」に設定される)
- Checkout as-is, commit Unix-style line endings:Gitはテキス・ファイルのチェックアウトを行う時どんな変換も行わない。テキスト・ファイルをコミットする時CRLFをLFに変換する。クロス・プラットフォーム・プロジェクトのためにUnixに対して推薦される設定である。(「autocrlf」が「input」に設定される)
- Checkout as-is, commit as-is:Gitはテキス・ファイルのチェックアウトやコミットを行う時どんな変換も行わない。このオプションを選択することはクロス・プラットフォーム・プロジェクトのために推薦することはできない。(「autocrlf」が「false」に設定される)
ここでは単独のパソコンで使用することを想定して、どんな変換も行わない「Checkout as-is, commit as-is」を設定することをお勧めする。
Git Bashと共に使うターミナル・エミュレータの設定を行う「Setup – Terminal emulator to use with Git Bash」画面が開くのでオプションを選択し「Next」ボタンを押す。それぞれのオプションの意味は次の通りである。
- Use MinTTY(the default terminal of MSYS2):Git BashはMinTTYをターミナル・エミュレータとして使う。そして、それはサイズが変更可能なウインドウで、非長方形の選択、Unicodeをサポートしている。Windowsコンソール・プログラムは(対話型のPythonのような)MinTTYの中で動作させるために「winpty」を通して起動しなければならない。
- Use Widow’s default console windows:GitはWindowsのデフォルト・コンソール。ウインドウ(exe)を使用する。そして、それは対話型のPythonやnode.jsのようなWin32コンソール・プログラムと共に正常に動作する。しかし、デフォルトのスクロール・バックは非常に限られたものである。非ASII文字を正しく表示するためにはUnicodeフォントが使えるように設定する必要がある。また、Windows10以前のウインドウは自由にサイズを変更できないし、長方形のテキスト選択しか許されていない。
ここでは、デフォルトの「Use MinTTY(the default terminal of MSYS2)」を選んでいる。
拡張オプションの設定を行う画面「Setup – Configuration extra options」が開くのでオプションを選択し「Install」ボタンを押す。それぞれのオプションの意味は次の通りである。
- Enable file system caching:ファイル・システム・データはある操作を行うためにメモリに野中にバルクやキャッシュされる。(fscacheがtrueに設定される)これは大幅なパフォーマンス向上を提供する。
- Enable Git Credential Manager:WindowsのためのGit Credential Managerは、Windowsに対して安全な認証証明の付きのストレージを提供する。それは、特にVisual Studio Team ServiceやGitHubのためのさまざまな認証サポートを行う。(.NET framework v4.5.1またはそれ以降が求められる)
- Enable symbolic links:シンボリック・リンクを有効にする。(SeCreateSymbolicLink 許可が要求される)現状のリポジトリーは、この設定に影響されないことに注意してください。
ここでは、「Enable file system caching」と「Enable Git Credential Manager」のふたつのオプションを有効にする。
インストールが開始され、「Setup - Installing」画面が表示される。
最後に「Setup – Completing the Git Setup Wizard」画面が表示されれば、インストール完了である。
まず、Gitを起動しよう。
Gitを起動する
これから、Bashのコマンドラインを使って説明するのでGit Bashを起動する。
Windows 7の場合は、スタート→すべてのプログラム→Git→Git Bashと進めばGit Bashが起動する。
Git Bashが起動した時に最初に表示される画面である。正しくインストールされているかバージョンを表示して確認しておこう。コンソールにgit --versionと入力するとバージョンが表示される。
確かに表示された画面にバージョンが「2.13.2.windows.1」と表示されている。これで正しく最新のバージョンがインストールされたことが確認できた。
では、Git Bashが起動すれば、次に行うのは初期設定である。
初期設定
初期設定としてGitを使うために必要最小限の設定を行う。必要最小限の設定とは、「ユーザ名」と「メール・アドレス」である。
ユーザ名の設定
ユーザ名を設定するには、「git config --global user.name “名前”」と入力する。
設定したユーザ名が正しく設定されたかを確かめるには「git config --global user.name」と入力する。
設定された名前が表示される。
次にメール・アドレスを設定する。
メール・アドレスの設定
メール・アドレスを設定するには、「git config --global user.email “メール・アドレス”」と入力する。
メール・アドレスが正しく設定されたかを確かめるには「git config --global user.email」と入力する。
設定されたメール・アドレスが表示される。ユーザ名とメール・アドレスが正しく設定されていれば必要最小限の初期設定が完了である。
まとめ
このページではGitのインストール方法から初期設定について簡単にご紹介した。
今回、紹介したGitを活用してバージョン管理についても勉強していただきたい。
Gitのインストール方法から初期設定について参考にしていただければと思う。
細かいですが、
×ユーザ名を設定するには、「git config –global user,name “名前”」と入力する。
〇ユーザ名を設定するには、「git config –global user.name “名前”」と入力する。
ご愛読いただきありがとうございます。
カンマではなくピリオドですね。ご指摘いただきありがとうございました。
引き続き、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
×ユーザ名を設定するには、「git config –global user.name “名前”」と入力する。
〇ユーザ名を設定するには、「git config -–global user.name “名前”」と入力する。
two dash を求められました。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
ご指摘の通り「--」が正しい記述となります。修正致しました。
今後とも、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。
この記事わかりやすくて助かりました!
嬉しいコメントありがとうございます。引き続きご拝読のほどよろしくお願いします。
素晴らしい記事ありがとうございます
そのように言っていただき励みになります。
今度ともご愛読の程よろしくお願いいたします。