RHELとは「Red Hat Enterprise Linux」の略だ。「レル」と読む。
その名の通りRedHat社の商品だが、このページで簡単に説明をしよう。
目次
RHELとは?
出典:Red Hat
「rhel」(レル)とは「Red Hat Enterprise Linux」の略であり、Red Hat社の商用ディストリビューションだ。
Linuxというと無料のイメージが強いが、サポートやパッケージを加えて有料で販売している企業もある。Red Hatは有料LinuxのシェアNo.1企業だ。主にサーバ分野で業務的な用途にて使用される。
サポートが付くというのは、企業にとって安心材料だ。わからないことがあったときや問題があったときに、Red Hat社が対応してくれるからだ。そのため、業務用として非常に信頼性が高く、公的機関などにも導入の実績がある。
認識するハードウェアについても、割とデファクトスタンダードな地位を築いているため、ハードウェアメーカが考慮してくれている部分もみられる。
「物理サーバ」「仮想サーバ」「パブリッククラウド」どれも場所を選ばずに稼働するようになっている。日本市場では国内の商用Linuxディストリビューションのうち約85%のシェアを占めているといわれている。
RHELを基準に学習をしたいというならば、クローンディストリビューションであるCentOSを使用するとよいだろう。
Red Hat Enterprise Linuxの誕生
スタート時
Red Hatの歴史は長い、1993年までさかのぼる。当初はまだRed Hat Enterprise Linuxではなく、RedHatLinuxとしてDebianやSlackwareと並んでメジャーディストリビューションとなっていた。
RedHatLinuxはrpmやGUIなインストーラを設けるなど、メジャーディストリビューションらしい扱いやすい構成になっていた。現在もそれは健在だ。当初は無償で雑誌などに付属していた時期もあった。
しかし商用アプリケーションを使用するにあたって、バージョンアップの度に互換性に問題が発生した。それを機に2002年に企業向エンタープライスユースに耐えられる「長期サポートが可能なLinux」を構築するという大義名分を背負ってRed Hat Enterprise Linuxが誕生したのである。
Fedoraと分岐
Red Hat Enterprise Linuxがエンタープライスへ方向転換したが、ここでいままでにあったRedHatLinuxはコミュニティーベースのFedoraCoreとして生まれかわることとなった。
現在はFedoraCoreの名前はFedoraとなっている。現在もFedoraはredhat社が支援しているコミュニティであり最先端ディストリビューションとなっている。コミュニティで培われたFedoraの成果物は段階的にRHELにとりこまれるようになっている。FedoraはいわばRed Hat社の実験場だ。
RHELの特徴
サポート体制
RHELは間違いなく有料ディストリビューションのNo.1だが「なぜLinux界隈のデファクトスタンダードになることが出来たのか」といえば、やはり「長期サポート」という部分が大きいだろう。
初期のころは約7年の長期サポートがなされた。現在では10年という長期サポートがなされる。変化の激しいLinux界隈でこのサポート期間は極端にいえば「異様」ともいえる。しかしビジネスで重要なのは「なによりも安定してクライアントにサービスを提供する」ということだ。そしてRHELの役割は「長期サポートが可能なLinux」である。見事にニーズと一致しているといえる。
だが気をつけなければならないのは、長期サポートが故に、時代にとりのこされてしまう場合があるということだ。例えば現状rhel6とrhel7では構成しているパッケージのバージョンは大きく変化することになる。
10年という長期サポートがユーザを浦島太郎状態にしてしまうことがあるのである。ここは少々考えどころだ。
開発形態
基本的にRHELはコミュニティーベースのFedoraの成果を元に新しい技術を導入してゆく形になる。新機能はメジャーバージョンアップを節として導入されることがほとんどだ。安易な変更はサーバとして稼動しはじめたRHELを不安定にしてしまう可能性がある上、整合性が確保できなくなり、長期的なサポートが出来なくなってしまう可能性がある。
そのため、メジャーバージョンアップの時にまとめてアップグレードするという方針だろう。
先ほども述べたように、メジャーバージョンのサポートは非常に長く、パッケージチョイスもFedoraで十分に検証されたものが導入されるため、周りのディストリビューションと比べると、安定性重視で枯れたものとなる。
サブスクリプションとは?
Red Hatのビジネスモデルのなかでよく「サブスクリプション」という文字を目にするだろう。これは要は「保守、技術的サポート料」となる。
Red HatはRed Hat Enterprise Linux本体を販売するというよりはサブスクリプションというサポート料でビジネスとしているといえる。デスクトップ、ワークステーション、サーバ、メインフレーム向けの製品が存在しており、通常は1年もしくは3年単位のサブスクリプションとして提供される。
具体的なサブスクリプションの内容には「RedHatによる知的所有権の保証」「ソフトウェアの更新」「バグフィックス対応」などが含まれる。
まとめ
このページではRHELとはについてまとめてお伝えした。だいたいご理解いただけただろうか? 参考にしていただければ幸いだ。
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