一般的にLinuxは軽いと言われているが、その中でも軽めのディストリビューションをセレクトしてご紹介してみた。
とにかくLinuxを動かしたい、軽いLinuxを自分のPCに入れてみたいという方は参考にしていただければと思う。
目次
Linuxは本当に軽いのか?
そんなに軽くない?
一般的にLinuxは「軽い」といわれている。この「軽い」とは「古いハードウェアの上でもストレスなく動作する」という状態をもちろん意味している。
「Linuxが軽い」と聞いて、試しにUbuntuなどを型落ちした数年前のPCにインストールしてみたという方もいるのではないだろうか?
しかし実際にインストールして使用してみると「軽いかどうか?」という点で首をかしげた方もいるだろう。あまり軽さを感じなかったりする。
GNU/Linux自体の動作は軽い。
実際GNU/Linux自体の動作基準は、Windowsよりもはるかに低いところにある。
一般的なLinux、DebianやFedora、Ubuntuなどはなにかしらの「デスクトップ環境」を構えていることがほとんどだ。このデスクトップ環境の完備によりWindowsやMacに近いリッチなGUI環境が構築され、マウスで色々な操作をすることができるようになる。
しかしリッチなデスクトップ環境が構築されれば、コンピュータの方にも負担がかかるのは当然の流れだ。
「Linuxが重い」と感じるのならば、それは十中八九コアシステムよりもデスクトップ環境が足を引っ張ている。
逆にSlackwareやDebianなどをベースシステムのみでCUI環境を構築してみると驚くほど軽いということが実感できるだろう。Windows95が稼働していたマシンでも平然と稼動するぐらいだ。しかし入門者が想像している「Windowsの代わり」としては機能しないはずだ。
軽量なLinuxのGUI環境を選択する
では「GUI環境で動作を軽くするにはどうすればいいのか?」というと、結果を先に述べると「コンピュータ資源にマッチするGUI環境を選べばよい」というところにいきつく。
LinuxはWindowsやMacと違う部分としてGUIの環境やインターフェイスを自分の好きなものに変更できる。そのレパートリーは星の数ほど存在する。それこそデスクトップ環境から単純にウィンドウを管理するだけのものまで色々だ。
GUIの部分を自分で選択できるのもLinuxの魅力の一つだ。必要に応じてGUIをダイエットできるのだ。基本的にGUIが単調になればなるほど「軽く」なってゆく。試しに「OpenBox」などのウィンドウマネージャをインストール、起動して操作してみるとよい。GUI環境としてはシンプルすぎるほどだが確かにLinuxが軽いということを実感できるはずだ。
軽量なディストリビューションを選択する
Linuxディストリビューションのなかには「軽量なGUI環境で操作性を犠牲にせず、快適な環境を実現しよう」とするものも多数存在するのでそちらをLive起動したりインストールして試すというのも選択肢としてはよいだろう。
Linux軽量ディストリビューション紹介
それでは軽量ディストリビューションをいくつかご紹介していこう。
Xubuntu
出典:Xubuntu
現状UbuntuはUnity、過去のバージョンではGnomeを採用している。
軽量なデスクトップ環境の選択肢としてXfceというものがあり、Xubuntuはデスクトップ環境をUnityからXfceに変更したUbuntuの派生型だ。
比較的軽快に動作し、なおかつユーザフレンドリーな部分をたもっているUbuntuのパッケージをそのまま使いまわせるので、日本語環境も整えるのが楽である。デフォルトのUbuntuが自分のPCでは重いと感じるようであれば、試してみる価値のあるディストリビューションだ。
Puppy Linux
出典:Puppy Linux
軽量ディストリビューションの代表的な存在として「Puppy Linux」が存在している。日本語にローカライズされているものもあり日本語版は「5.x系 Precise-571JP」が最新である。(コメント欄に参考になるコメントをいただいているので、こちらも確認して欲しい)
動作条件としてCPU: Pentium 166MMX, RAM: 128MB, CDROM: 20倍速以上というのを見るといかに軽量なのかがうかがえる。
最近では比較的古いパソコンでもCPUは1Ghz以上でメモリも1GB以上搭載していることが多いので十分軽量に稼動するLinuxといえるだろう。
インストールをしなくてもLive環境として使用できるディストリビューションとなっている。
下記の様な可愛らしいディストリビューションだ。
Damn Small Linux
こちらも小型軽量ディストリビューションとしては代表的だったが、現在開発が停止している。しかし現在でもWebサイトは生存しており、イメージisoもダウンロード可能となっている。
セキュリティの観点から、常用はお勧めしないが「軽量Linuxに触れてみたい」「軽量なLinuxがどういったアプリケーションをチョイスしているのかを知りたい」など、学習用途では非常に役にたつミニマルなクライアントLinuxの教科書といえるだろう。
下記の様にちょっと古いので、あくまでご紹介程度だ。
ArchLinux
出典:ArchLinux
ArchLinuxは基礎環境を自分でマニュアルにそってインストールすることになる。なのでインストールした直後は非常にシンプルなGNU/Linux OSとなる。
お世辞にも入門者向とはいいにくいが、インストール直後は基礎的なものしかインストールしない分非常に高速に動作する。あとはpacmanというパッケージマネージャで好きなパッケージをインストールしてゆけば余分なものが一切ないオリジナリティーな環境が構築できる。
余分なものがインストールされないためリソースの節約につながる。ローリングリリースの形態をとっており、バージョンの概念がなく、常に新しいパッケージが新陳代謝のように導入されてゆく。一度快適な環境を構築すれば末ながくつきあえるので、一度チャレンジしてほしいディストリビューションだ。
SliTaz
出典:SliTaz
比較的近代的な軽量ディストリビューションである。BusyBoxを使用するなど組み込み向の技術を応用している。
また基本的にメモリの容量が許すならば基幹システムも含めて全てをメモリ上に展開する。そのため、十分なメモリが搭載された環境であれば非常に快適に動作する。
ミニマルながら最低限のアプリケーションは搭載されている。しかし日本語にはデフォルトでは対応していないのでカスタマイズが必要となる。現在も積極的に開発されているミニマルなディストリビューションだ。
Tiny Core Linux
今回紹介するディストリビューションのなかでは、最もミニマルなディストリビューションだろう。コアシステムだけのCoreエディションを例にだすと、その総量は約11MBほどとなる。ある程度パッケージを同梱したCorePlus状態ですら106MBほどの大きさしかない。
ここまでくると小さくすることにたいして執念を感じるほどだ。当然ここまでサイズが小さいと、要求リソースも小さくなる。組み込み向けのシステムを応用してここまでのサイズ削減を実現している。Windowシステムも「Tiny X」という独自の物を採用している。
Bachata Linux
非常にわりきったディストリビューションの一つで、bash、apt、DHCPクライアントと、ごくわずかなコマンドで構築されているLinuxである。あとあとaptで自分好みに拡張してゆくことになる。ただし、現在ほぼ開発が停止している状態である。
Linux Mint
出典:Linux Mint
最後はLinux Mintをご紹介しよう。
軽量なLinuxとして最近人気になっている。Ubuntuから別れたディストリビューションだ。
軽量Linuxとして有名だが、デスクトップ環境での使いやすさも追求しているため、多少の重みはある。しかし、Ubuntuなどに比べて軽めだし、使いやすいLinuxディストリビューションだ。
まとめ
このページではLinuxの軽めのディストリビューションについてまとめてご紹介してきた。
軽量ディストリビューションにも色々と種類はあるので、色々と試してみて、自身にあったものを選択していただければと思う。
Puppy Linux Precise 571JP は正式版としては最新ですが、デフォルトのブラウザ Opera 12 が、動画の HTML5 再生に対応しておらず、flashplayer を取得するアプリ GetFlash も、これ自体をアップデートしないと機能しません。現在のインターネット環境に対応するには、別なブラウザを追加するといった作業が必要になります。
「Puppy Linux 日本語フォーラム」を訪れてください。非公式ながら、Ubuntu Tahr ベースの Tahrpup 6.0.5 を日本語化した派生版もあります。
参考になるコメントありがとうございます。記事に反映させていただきます。
メールは来るが資料は全然着てません。
ご確認遅れて申し訳ありません。再度今日・明日中にメールにてお送りいたしますので、ご確認いただければと思います。よろしくお願い致します。
bachatalinux のインストール方法を教えてください
いつもご愛読いただきありがとうございます。
bachatalinux は2012年で更新が止まっており、セキュリティの観点から見ますと正直導入がお勧め出来ない状況となっております。学習用途でインストールされる場合には、VirtualBox等で仮想環境を作成の上でインストールをされるのが宜しいかと思います。
実際に仮想環境上でインストールを行った際の入力内容など、以下参照ください。
【ダウンロード】
http://www.staldal.nu/bachatalinux/
Install on a physical machine with CD-ROM
→ amd64 if you have a 64 bit AMD or Intel CPU (x86-64) をクリック
bachatalinux-1.0-amd64.iso というファイルがダウンロード出来る
これをVirtualBox上のバーチャルマシンの仮想光学ドライブに割り当てる
【インストール】
Nearest Debian mirror URL: [何も入力せずEnterキー]
Hostname for new system: [任意のホスト名を入力してEnterキー]
Disk to install on: /dev/sda
Partition Disk? (y,N): [何も入力せずEnterキー]
File system to use : ext2
Geographic area: 6
Time zone: 75
Enter new UNIX password: [任意のパスワードを入力してEnterキー]
今後とも、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。