Linuxではユーザを作成した際に、ホームディレクトリなるものが用意される。
基本的にユーザのホームディレクトリには、ユーザがそれぞれ使うファイルやフォルダなどが置かれることになる。Windowsでも実は同じものがあるが、あまり意識したことがない人のほうが多いのではないだろうか?
このページではLinuxユーザのホームディレクトリについてまとめた。参考にしてほしい。
Linuxのホームディレクトリとは?
ホームディレクトリって何?
ホームディレクトリとは、基本的にユーザがログインした直後にユーザが配置される場所だ。ホームディレクトリがデフォルトの作業開始場所となる。ホームディレクトリはユーザ作成時に「/home」の下に「ユーザ名のディレクトリ」が作成されているはずだ。「/home/<ユーザ名>」がホームディレクトリとなる。
一般ユーザは基本的に、このホームディレクトリの下で「生活」することになる。ホームディレクトリの中は、そのユーザが自由にファイルやディレクトリを作成してもよい空間となっている。
ほとんど何も権限がないユーザでも、ここだけは自由に利用出来るはずだ。
また、基本的に他のユーザは、あなたのホームディレクトリに変更を加えることができないようになっている。設定によっては他のユーザからの読み込みを禁止するなどの措置もとれる。Windowsで同じパソコンを使うときにユーザアカウントを分けるのと同じようなイメージだと思ってほしい。
しかしroot権限のユーザは例外としてあなたのディレクトリであれ、なんであれ、変更を加えることが出来るので注意しよう。
ディレクトリの差し方
ホームディレクトリはよく使うため、指定するためのショートカットコマンド的なものが用意されている。「~/」と指定すると、どこにいてもホームディレクトリを指し示すことができる。
$ cd ~
でホームに戻ることができる。もっと手早くホームディレクトリに戻りたい場合、
$ cd
と単に「cd」コマンドをたたくだけでホームディレクトリに戻ることができる。
ユーザ個別の設定はどこへ保存されるのか?
ここからは少々細かい説明になっていく。初心者の方は飛ばしていただいて構わない。
システム全体の設定についてはroot権限でファイルを適切な場所に設置、適切に設定することになっている。しかし一般ユーザは、システム全体例えば「/etc」の下に設定を保存できないし、サービスの再起動なども許されない。
では「ユーザが個別で設定を保持することは出来ないのか?」「ユーザ個別の設定はどこへ保存されるのか?」という疑問もあるだろう。基本的にはユーザの設定はホームディレクトリの下に隠しファイルとして保存されることがほとんどだ。
ためしに「ls -1a」としてみよう。なにかしらのディストリビューションをデスクトップとして使用している場合「/home/<ユーザ名>」の下に多くの隠しファイルやディレクトリが存在するはずだ。
ファイル名が「.」からはじまるファイルは、隠しファイルもしくは隠しディレクトリである。例えば「.mozilla」はFireFoxのユーザ個別の設定ファイルである。ユーザ個別の設定はホームディレクトリの下に保存されることを覚えておこう。
ホームディレクトリとセキュリティー
一般ユーザの設定は基本的にホームディレクトリの下に収納され、また、ホームディレクトリにはユーザの設定なども保存される。そのため結果としてホームディレクトリはあなたのプライバシーの塊になるということを注意しておこう。
Linuxでは無理矢理セキュリティーホールをついてroot権限を奪取されると、「全て権限が悪意あるユーザへわたされる」ことになる。システムの悪意ある設定改変にはじまり、ユーザへのプライバシー侵害などもたやすい状態となってしまう。
しかし、なにもあなたのプライバシーを侵害したいという悪意をもったユーザはroot権限を奪取する必要もなく、他の一般ユーザで、あなたのホームディレクトリを覗きみすればよいのである。
ことによりけりだが、一般ユーザのディレクトリがリードオンリーな状態になっている可能性があるので、ユーザを作成した時点で管理者に確かめた方がよいだろう。
レンタルサーバでもWebサービスHTTPに関してのコンテンツなどは、ワールドワイドに公開するためだれでもアクセスが可能となっているので、プライバシーにかかわるものは配置してはいけない。状況によってホームディレクトリだから安全とも限らない点に注意しておこう。
まとめ
このページではLinuxのホームディレクトリについて一通りお伝えしてきた。
Linuxを使う上で大事なディレクトリだ。詳しい設定はともかく、概要は掴んでおこう。