10日間でLPIC101に合格するための対策法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

もしあなたがLPIC101を受験しようと思っているならこのページは役に立つはずだ。

なぜなら、このページはLPIC101に10日間で受かるための対策方法をまとめているからだ。

LPIC101はLPICの最初の試験に当たるが、想像以上に範囲も広く、内容も濃い。

対策方法や勉強方法だけではなく、そもそもの試験範囲、受験料、当日の対策などもまとめているので、参考にしてぜひLPIC101を取得してほしい。

まずはLPIC101の基礎を理解する

そもそもLPIC101とは

LPC101とは、LPICレベル1資格のひとつだ。

「LPICレベル1を合格しました」と対外的に言うためには、LPIC101とLPIC102の試験の両方に合格する必要がある。

LPICレベル1はLInuxの基本操作とシステム管理ができることがゴールになっているため、LPIC101でも問われるのはそこがメインだ。

しかし、より深いシステムの構成やファイルシステムの構築なども出題範囲となっており、プロフェッショナルなLinuxエンジニアを目指すのであれば、いい勉強の機会になる。

受験の前提は?

LPICは下位資格を持っていないと上位資格を受けることができない。例えばLPICレベル2を受けるためにはLPICレベル1を取得していなくてはいけない。しかし、レベル1では受験の前提条件はないため、どんな人でも受けることができる。

また、LPICレベル1の取得にはLPIC101とLPIC102どちらを先に受けても構わない。両方を一度に受ける人もいれば、別々に受ける人もいる。

リスキルテクノロジーでは別々に受けることをすすめている。両方を一緒に受けるよりも、101・102それぞれで勉強をし、受かったらもう一方を受けるという方が効率的だからだ。

LPIC101の受験費用は?

LPIC101受験費用は15,000円(税別)となっている。LPIC102も同額なので、レベル1取得のためには30,000円の受験費用がかかる。

受験費用は、クレジットカードでの前払い支払いとなる。

キャンセルは1日前まで受け付けてくれるので、予定が合わなくなったら、キャンセルや変更は可能だ。ただ、自分自身に強制感をもたせるためにも、「勉強が足りないから」という理由でのキャンセルはやめた方がいいだろう。

一度キャンセルをしてしまうと、ずるずると受験せずにそのまま取得できないというケースが多い。

試験実施方式

試験はCBTの方式が取られる。CBTとはComputer-Based Testingの略で、コンピュータに向かってテストを行うことをいう。いわゆるテストセンターで任意の日時、場所を選択して受験が可能だ。

ほとんど毎日テストは実施されている。場所を気にしなければ、明日受けることも可能だ。

テスト会場への持ち込みは不可になっている。

一度不合格になっても、翌日から起算して7日後から再度受けることができる。ただ、受験料が安いわけでもないので、一発合格を狙って頂きたい。

3度目の受験からは30日空ける必要がある。

LPIC101の合格点

問題数は60問ある。増えることもあるが、大体の場合60問程度だと思ってもらって構わない。

合格点は約65%以上。2/3に当たる40問正解すれば合格という形だ。

選択問題が多いが、記述の問題も1,2割入っており、しっかりと理解して暗記していることが求められる。

試験時間

試験時間は90分。

選択式の問題が多いこともあり、時間が足りなくなることはまずないだろう。もし足りなくなりそうであれば、選択肢式問題をまずは適当に選択をし、点数のアップを図る。

時間に余裕がある際には、最低でも1周は問題と解答を確認しよう。LPICにはひっかけ問題も含まれており、ひとつひとつ確認しながら見直しをすることが大切だ。

勉強時間

LPICレベル1全体で、勉強時間の目安は1カ月から3カ月程度と言われている。

そのため、LPIC101だけで見れば、一ヶ月程度勉強してからLPIC101を受けに行くのが標準的だろう。

このページでは、とにかく早く受かりたいという方のためにあえて10日間での勉強方法をお伝えしている。急がずしっかりという方は倍の時間がかかって、まったく問題がないと思ってほしい。

受験方法

受験の方法は、LPICのIDを新規登録して、その後ピアソンVUEで受験予約を行う順番となる。

予約は前日でも構わないが、自分に気合をいれて勉強するために、先に受験予約をしてしまおう。試験前は勉強するプレッシャーが働き、学習効率が上がる。反面、日時が決まっていないと、なかなか勉強を始められないだろう。

ベンダー資格などとは違い、LPICに有効期限はない。ただし、取得後5年間だけがアクティブ状態だと見なされる。101を取ったあと、5年以内に102を取らないとレベル1の取得にはならない。

101の試験出題範囲

勉強方法の前に試験範囲をお伝えしておく。101の試験出題範囲は次のようになる。

101試験範囲:出題範囲詳細(Ver4.0)

主題101:システムアーキテクチャ
・101.1 ハードウェア設定の決定と構成
・101.2 システムのブート
・101.3 ランレベル/ブートターゲットの変更とシステムのシャットダウンまたはリブート

主題102:Linuxのインストールとパッケージ管理
・102.1 ハードディスクのレイアウト設計
・102.2 ブートマネージャのインストール
・102.3 共有ライブラリの管理
・102.4 Debianパッケージ管理の使用
・102.5 RPMおよびYUMパッケージ管理の管理

主題103:GNUとUnixのコマンド
・103.1 コマンドラインの操作
・103.2 フィルタを使ったテキストストリームの処理
・103.3 基本的なファイル管理の実行
・103.4 ストリーム、パイプ、リダイレクトの使用
・103.5 プロセスの生成、監視、終了
・103.6 プロセスの実行優先度の変更
・103.7 正規表現を使用したテキストファイルを検索
・103.8 viを使った基本的なファイル編集の実行

主題104:デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準
・104.1 パーティションとファイルシステムの作成
・104.2 ファイルシステムの整合性の保守
・104.3 ファイルシステムのマウントとアンマウントの制御
・104.4 ディスククォータの管理
・104.5 ファイルのパーミッションと所有者の管理
・104.6 ハードリンクとシンボリックリンクの作成・変更
・104.7 システムファイルの確認と適切な位置へのファイルの配置

幅広くLinuxの基礎が範囲になっている。基礎固めとしてはとてもいい内容だ。

 

LPIC101の勉強方法

それではLPIC101の勉強方法に入って行こう。

前提としてLinuxを少しいじったことがある人を対象にスケジュールを組んでいる。プロフェッショナルではないが、少し触ったことがあり、「lsコマンド」や「cpコマンド」は使える方というイメージだ。

Linuxを使ったことがまったくない人でも受かる可能性はある。しかし、LPICを取得する本質からずれてしまっているので、先にLinuxの勉強を少しでもしたほうがいいだろう。

Linuxの環境を作り5日間ほどLinuxを触ることで、勉強していることのイメージがつくはずだ。

LIinux環境の準備などについてはまた別途後日詳しくお伝えする。

勉強に使うもの

勉強に使うのは参考書と問題集になる。

参考書

参考書としてオススメなのはあずき本や合格読本だ。Linuxをすでにある程度わかっており、細かいところも含めてLinuxを真剣にマスターしたい人向けの書籍になる。

 

かなり分厚いため、持ち歩きは大変だ。重いという方は、半分に切ってしまうのがいいだろう。まずはLPIC101部分だけ持ち歩けばいい。

いい参考書だが、これまでほとんどLinuxを触ったことがないという人には、あずき本は難易度が高い。

Linuxはほぼ初心者だという方は、LPIC合格読本のように薄めの書籍を手に取る方が挫折せずに、勉強が進められる。

 

2016/5/1追記

初心者の方にとっては「合格読本」よりも下記の1週間でLPICが学べる本が良さそうだ。Linuxを基礎から勉強することができるし、実務にも役立つ。

また、市販ではないが、リスキルテクノロジーのテキストは要点を極限までしぼっているため、これを使って勉強すると合格率は高い。

問題集

もう一冊は問題集だ。これは『Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集』をお勧めする。

 

ひとつひとつの問題への解説の質が高く、幅広く問題をカバーしている。ただ、解説の内容をすべて記憶していると時間がかかってしまう。理解は参考書でして、あくまでも実践として使おう。

問題の練習と傾向の理解というところに終始すればいい。

10日間のステップの前に

ぜひLinuxの環境を構築しておこう。実際に環境があるのとないのとでは、勉強の進み方が違う。また、丸暗記になるか理解になるかの違いも出てくるだろう。

下記ページで詳しく解説をしている。

10日間で受かるための勉強のポイント

勉強方法の基本は下記の順番になる。

理解 → 暗記 → 問題練習

まずは試験範囲をすべて理解することから始めるのがいいだろう。

コマンドに関しては、実際のLinux環境で打ちながら確認しよう。そうしないとただの丸暗記になってしまう。

教科書を読み込む際、昔懐かしいとは思うが、チェックペンという暗記用のペンを使って覚えるべき内容をチェックすることをオススメする。

暗記をする際に赤い下敷きで消せる便利なペンだ。

ノートを作ってもいいが、薄いテキストであればほとんどすべての暗記が必要になる。ノートを作る意味がほとんどなく、手間の方がかかってしまう。チェックペンでの理解が一番効率のいい方法だ。

 

下記の10日間のステップは、1日2〜3時間程度時間を取れることを想定している。

Step1. 理解(4日間)

まずは試験範囲の内容を理解しよう。暗記ではなく理解で解ける問題も多い。

例えば、「ハードリンクの元ファイルを消すとどうなるか?」など。

しっかりと理解することが大切だ。

下の説明、勉強開始前から内容がわからなくてもまったく問題はない。この内容の順番で勉強すればいいということだけ理解してもらえば十分だ。

LPIC101対策 1日目

シェルの操作およびコマンド

まずはLPIC101に出る基本コマンドの操作から勉強を始めよう。テキストで、この内容に該当するページを開く。

1章から順番に勉強する必要はない。まずはわかりやすく、他のところでも使う部分を理解するのが吉だ。

bashの基本操作やhisotoryなどのbashの履歴管理は試験によく出題される。初心者の方にとってはパイプなどの理解が壁になるだろう。

dmesg | grep eth0

など意味を理解できるようにしよう。

また、マニュアルを扱うことができるmanというコマンドは使い方を覚えておくと、とても便利だ。実際にコマンドを叩きつつ覚えてしまおう。

テキスト処理

ファイルの操作ややテキストの処理も1日目にやってしまおう。

trコマンドやcutコマンドなどの操作を上述のパイプなどと組み合わせられるようにしておく。

各種のオプションはすべてを覚える必要はないが、問題を解く上で出てきたものは覚える必要がある。

viコマンドの操作は、エンジニアであれば必ずやることになる。各種ショートカットのコマンドと共に指で覚えてしまうのがいい。

カーソル移動・編集・保存などは試験でもよくお扱われているため、必ず理解しておこう。

LPIC101対策 2日目

プロセス管理

2日目はプロセスの管理を理解する時間にする。

psコマンドはLinuxを使っていく上で、必ず使えるようにならないといけないコマンドだ。オプションも含めて実際にLinuxを叩きながら確認を行おう。

終了再起動などのシグナルやジョブ管理も理解して、実際に使えるようになっておこう。

ファイルシステム

ファイルシステムとはLinuxにおけるファイルの管理に関するシステムだ。

例えば、ファイルを扱うことができる権限などがそれにあたる。

所有者と所有グループをというLinuxの基礎を理解しよう。chownコマンドなどは、実際に現場で叩く回数が多いコマンドだ。

パーミションとその変更方法も理解する。「ls -la」コマンドを叩いて、実際にファイルを見ながら確認すると覚えやすい。

特殊なパーミションであるSUIDやSGID、スティッキービットなども頻出問題なので、必ず理解するようにしよう。

ハードリンクとシンボリックリンクの違いもよく出題される。

LPIC101対策 3日目

ファイルシステムの続き

3日目にはファイルシステムのもう少し深い階層を理解する時間を取る。

まずはパーティションを理解し、どのフォルダにどんなファイルが入るのか全体図を理解しよう。例えば「varフォルダ」にはログファイファイルを入れるため、大きめの容量が入るようにした方がいいなど。

Linuxのファイルシステムそのもののインストール方法もここで学ぶ。

ここは、実際にテストで動かすのがやりにくい部分なので、まずは割り切って暗記してしまうでも構わない。ファイルシステムの管理コマンドは覚えてしまうおう。

マウントやクォータといった内容もここで実施する。

ハードウェアとの連携

3日目は大変なのだが、ハードウェアとの連携も理解してしまおう。ここはそこまで範囲が広くない。

どうやってLinuxシステムが起動するかの順番はぜひ理解したい部分だ。

LPIC101対策 4日目

4日目で全範囲の理解を終わらせる。

ソフトウェアのインストールとパッケージ管理

ブートローダのインストールや共有ライブラリなどはここで初めて出会う人も多いはずだ。また、パッケージ管理系のコマンドはサーバーを構築していく立場を目指すのであれば、100%理解しておきたい箇所である。この機会にマスターしてしまおう。

Cent系とDebian系の両方を試験対策としては覚える必要があるが、実際に実践するのは片方がだけでいいだろう。

両方ともに環境を用意できる人はぜひやってほしいが、時間もかかる。どちらか片方だけ実際にやっていけば、パッケージ管理の中身は理解できるはずだ。

停止・ランレベル

ここまでやってLPIC101の範囲は網羅できる。

ランレベルとはシステムの状態を指す。サービスの起動方法などをここで理解しよう。

サービスの起動に関しては、古いLinuxと新しいLinuxどちらも試験範囲に入る。現在現場では古いLinuxの方が使われていることが多いため、そちらの比重の方がまだ高い。

Step2. 暗記(4日間)

5〜8日目は、ここまでチェックした内容を頭に入れていく時間となる。

コマンドだけではなく、オプションや、ディレクトリの場所なども試験出題されるので、ぜひ覚えたい。例えば、「ps」ではなく「ps aux」での動作などが試験には出てくる。

また、ディレクトリは覚えにくいからと後回しにしてしまいがちだが、記述での出題頻度は高い。ここは頑張って覚えてしまおう。

Step3. 問題演習(2日間)

9〜10日目は、スピードマスターのテキストを使って実際に問題を解いていこう。

まずは一通り問題を解く。そして、解けなかった問題を覚える。ある程度覚えたとなったら模擬問題を受けてみよう。「半分ほど」解ければ十分に合格範囲だ。

解けなかった問題は、理解して覚えてしまおう。2周ほどすると、大体の問題は記憶ができるはずだ。

ここまできたら、あとは時間があるときに受けにいけば受かる。リスキルテクノロジーでは理解の部分を授業中にやるため、その後一週間ほどで合格者が出てくる。

あなたもまずはなるべく理解しやすく、薄め目のテキストで勉強し、演習問題を最後の仕上げを行う順番で勉強してほしい。

試験当日

テストセンターに行き試験を受ける。どうしても覚えられないコマンドやディレクトリがあったら、試験前に見ておく。

試験開始後のみとなるが、メモを書くことができるので、覚えたことを一気に吐き出してしまおう。試験時間を考えても、それくらいの余裕はある。

また、資格試験にドーピング検査はないため、チョコレートなどの糖類を補給してから試験に望むのがいいだろう。

試験が終わると、その場ですぐに合否が表示される。65%以上が合格の目安だ。スコアレポートを受け取って、試験終了となる。

LPIC102はすぐに受けた方がいい?

LPIC101が受かったら、102をすぐに受けた方がいいかという質問をリスキルテクノロジーの受講生から頂くことがある。

結論としては、なるべく早く受けた方がいいだろう。102の問題の中に、101で勉強したことが混じってくるからだ。

それほど量は多くないため、別々に受験をした方が間違いなく効率がいい。しかし、それでも忘れる前に102の対策を始めてしまった方が結果的に楽だ。

102も別途詳細は解説するが、同じ程度の時間で受かる。詳細は下記から確認してほしい。

11日間でLPIC102に合格する対策法

まとめ

LPIC101に関する内容が大体掴めただろうか?

LPIC101はLinuxエンジニアとしての一歩目を踏み出すのに知っておきたい知識が詰まった試験だ。Linuxを業務で触っている人でも、知らなかった便利なコマンドやLinuxシステムの仕組みなど学びが多いだろう。

ぜひチャレンジして、Linuxの理解を進めてほしい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

このページの続きや関連ページは下記から一覧で確認できます。

IT講師に興味はありませんか?

・「今までIT講師をやってきたが、更に多くの講義を行いたい」

・「エンジニアとしてやってきたが講師業に魅力を感じている」

・「講師として活躍するためにベースとなる知識を知りたい」

・「様々な分野や言語の講師にチャレンジしてみたい」


という方はぜひIT講師募集のページをご覧ください。


リスキルテクノロジーでは「受講している方々にITを好きになってもらう」ことを目標に、同じ目標に向かって歩んで行ける講師の方を常に探しています。


システム開発やインフラ構築などのエンジニアリング経験を活かし、新入社員などの未経験者や経験の浅い初学者の方々に対してITトレーニングを行っていただくことになります。


テキストやカリキュラムは事前に用意されており、それらを元に講義を進めていくため、IT講師をはじめて実施する方でも安心してトレーニングを実施できます。


IT講師募集のページを見る

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*

未経験からの育成制度も充実
IT講師に興味はありませんか?

リスキルテクノロジーでIT講師の積極募集を開始! 経験・未経験問わずご応募可能。育成制度で講師スキル向上も目指せます

IT講師に応募する