PHPはWebアプリケーションの開発で活躍する言語だ。
Webアプリケーションという言葉が難しければ、WebサービスでもWebサイトでも構わない。とにかくWebで動いているものを作るためのプログラミング言語だ。
しかし、Webアプリケーションと言っても、具体的に何ができるのか初心者の方には想像がつきにくいだろう。
そこで、このページでは、PHPでできることをまとめてみた。読めば、PHPでできることを大まかに理解できるようになっている。参考にしてほしい。
目次
そもそもPHPとは?
PHPは、20年前に開発されたプログラミング言語だ。当初は、「Personal Home Page Tools」という名称で、個人の履歴書を公開する為の簡易ツールとして開発された。
徐々に人気を集めていき、Webアプリケーションの開発に特化した言語と進化していった。
その特徴は下記の通りだ。
- 初心者にも習得しやすい
- インターネット上にサンプルがたくさんある
- 様々なWebサイト関連のアプリケーションがPHPで作られている
- ブログや書籍が多くあり情報収集がしやすい
- PHPを簡単に利用できるレンタルサーバが多く、作ってすぐに公開できる
IT業界に関わっていきたいと思っているのであれば、PHPを学んでおいて損をすることは無い。初心者にとってわかりやすいため、初めてのプログラミング言語としても最適だ。
PHPでできること12選
それでは、早速PHPでどのようなことができるか、具体的にみていこう。
お問い合わせフォームの作成
Webサイトには必ずあるといっていい「お問い合わせフォーム」。PHPを使えばお問い合わせフォームが作れる。
そんなお問い合わせフォームも、PHPで作ることができる。他のプログラミング言語でも作れるが、PHPで作るのが簡単だ。
PHPをしっかり勉強すれば、すぐに作れるようになるだろう。また、ゼロから開発しなくても、色々な人がフォームのプログラミングを公開してくれている。また、フォーム機能を簡単に作る部品集のようなものも用意されているので、お問い合わせフォームをすんなり作ることができる。
予約システムの作成
宿の予約や施設の予約、レストランの予約などで一度は使ったことがあるだろう。日付や時間、空き状況を自動的に判別して、表示してくれる。電話を受ける必要もないため、24時間対応もできる。
予約システムは、顧客にとってもお店側にとっても便利なシステムだ。
PHPを使えば予約システムを作成することができる。例えば一休.comのようなサイトが作れるということだ。
検索機能の作成
GoogleやYahooを使って検索をしない日はなかなかないだろう。このページにも検索して来られたのかもしれない。
検索機能はインターネットを使う上での必須機能だ。PHPは検索機能を作成することもできる。
例えば、グルメ検索サイトとして有名なぐるなびはPHPで作られている。
ログイン機能
サービスを使用するためにログインが必要なWebサービスはとても多い。例えば、FacebookやTwitter、Gmail、ヤフオク、ぐるなび、Instagram、Evernoteと、多くのWebサービスではログイン機能が必須だ。
PHPではログイン機能を作ることもできる。もちろんそれに伴う、新規登録やログアウトの機能も作成できる。
ブログを簡単に作る
WordPressというブログ作成ソフトをご存知だろうか?
全世界のサイトの1/4はWordpressで作られていると言われている、恐ろしいほど使われているアプリケーションだ。今見ていただいているこのサイトもWordpressで作られている。
このWordPressもPHPで開発されている。
あなたがPHPプログラミングのスキルを持っていれば、WordPressをカスタマイズすることもできるし、自分にあったブログを開発することだって可能だ。
Webエンジニアだけではなく、Webデザイナーの方でも弄れるような難易度でできていて、さすがPHPというアプリケーションになっている。
ECサイト
よくあるAmazonなどの商品を購入するようなECサイト(ショッピング)の構築もPHPでできることだ。
有名な事例としては、国産のECサイト作成ツールである「EC-CUBE」もPHPで開発されている。
ECサイトには一般的には下記のような機能があるがすべてPHPで開発可能だ。
- 会員情報の登録、削除、更新
- 商品の購入、予約、お気に入り登録など
- オンライン上での決済処理
- 商品の在庫管理や売上管理など管理側で必要とする機能全般
もしあなたが、もしくは友人が何かお店を開こうとしていて、「ネットで売りたいんだけど?」なんていう場合は、PHPのスキルがあればアドバイスができる。
SNS
TwitterなどのSNSもPHPで作ることができる。
実際、世界的なSNSであるFacebookもPHPで開発されていた。今はPHPを改良した独自言語「Hack」で作られている。
SNSには一般的には下記のような機能があるがすべてPHPで開発可能だ。
- ユーザーの登録、削除、更新
- 投稿の作成、更新、削除
- コミュニティ、グループ機能の開発
- SNS上でのチャット機能
- 簡易的なメッセージのやりとり
グループウェアの作成
企業で使う色々な機能がついたスケジュール管理システムをグループウェアというが、グループウェアの機能全般もPHPで作成することができる。
- カレンダーを表示
- そこに予定を追加・編集・削除していくこと
- タイムカード機能
- リンク集
などはPHPを使えば作ることができる。
社内管理システム全般
顧客管理システムや出席管理システムなどの社内の管理システムは全般的にPHPで作成できる。
なんでもインターネットの時代だ。社内の管理システムは、ブラウザで利用するのが一般的だろう。PHPはさくさくと作れることからも社内管理システムを作成するのに人気が高い。
ファイル操作
各種のファイルの作成や操作もできる。
- ログファイルの作成
- データベースに管理するまでもないような情報の保存/読み込み
- 画像ファイルの生成
- サーバ内に保存されている設定情報の読み込み
- ファイルのアップロード、ダウンロード
ファイル作成における用途は幅広い。一般には難易度が高いと言われている画像ファイルの処理も比較的簡単にできる。
API連携ができる
すでにあるアプリケーションを利用、もしくはカスタマイズしたり、特定のサービスが提供している機能を使って開発をすることもある。
後者の機能をAPIといって、主にサービスの提供元が開発してくれたもので、それを使うことで、自分のサイトやサービスにも同様の機能を組み込むことが出来るというものだ。
たとえば、Twitterが提供しているAPIは、PHPにも対応しているから、自分のアカウントのつぶやきを取得して自分のサイトに表示する、なんてことも可能だ。
APIはたくさんあるが、有名なものには下記のようなものがある。
- Facebookログイン機能を使う
- Twitterサイト以外からつぶやきを投稿する
- Yahooオークションで自分が出品した商品の状況をまとめる
- Amazonで商品の値段をまとめる
PHPはWebアプリケーション開発においてスタンダードなので、各種WebサービスがAPIを提供する場合も、PHPに対応したAPIを出すことが一般的だ。サンプルのコードも用意してくれていることが多い。
この辺はPHPを使うことの大きな強みだ。
バッチ処理の作成
これまでWebアプリケーションの話ばかりしてきたので、イメージが湧きづらいかもしれないが、表に出てくる情報や機能の裏ではたくさんの裏方作業がある。
たとえば、欲しい商品が入荷したことを知らせるメールもその1種だ。サーバの中で、定期的に入荷データをチェックして、該当があれば対象者にメールで送る、そういった処理をバッチ処理というが、PHPでも簡単なものであれば開発可能だ。
何が書いてあるかわからずともまったくもって構わない。
このような処理をPHPで書くことによって、今アプリケーションを使っていないユーザーへの働きかけ機能も開発することができる。
PHP開発において注意するべき点
最後にPHPを使う上での注意点を上げておこう。
データベースやJavaScriptも一緒に勉強したい
たとえば、家を作るのに木や鉄骨だけあればいいかというと、そうではない。けずるためのヤスリ、色を塗るためのペンキ、木と木を固定する釘、などたくさんのものが必要となる。
Webアプリケーションも同様に、公開するためのサーバやデータを貯めこむデータベースといったものが必要となってくる。データベースとは例えば顧客情報が一括で入っているエクセルのようなものだと思ってほしい。Webアプリケーションを作る上では必須の知識だ。
また、最近のWebサービスのように華やかに動きがあるサービスを作りたければ、JavaScriptという言語も必要だ。
データベースは必ず、JavaScriptはできれば、PHPと一緒に勉強して、使いやすいWebサービスを作れるようにしたい。
PHPが苦手なこと
なにごとにも得意不得意があるように、PHPにもある。
PHPは、高密度な図形描画や超大量データの計算などの、コンピュータに負荷がかかる作業は苦手だ。出来ないことはないのだが、処理速度が遅かったりする。
プログラミング言語はたくさんある。それぞれの長所短所を見極めて開発を進めることが大切だ。
まとめ
このページでは、PHPでできることをまとめてきた。
PHPはWebアプリケーション開発向けの言語だ。PHPを覚えると、WebサイトやWebサービスをほとんど作成することができるようになる。
PHPは言語として易しめなので、初心者向きだ。プログラミングを勉強したいと思っているのであれば、PHPを勉強してWebアプリケーション制作にチャレンジしてみてはいかがだろうか?
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