CentOSはLinuxサーバーを構築するときファーストチョイスとなるOSだ。
このページではCentOSのインストール方法について詳しくまとめた。対応したOSはCentOS7だ。
Linuxのインストールというと難しく聞こえるが、それほど難しいものではない。下記の順番通りに作業を進めれば、CentOSのインストールは問題なく完了できるはずだ。
目次
CentOS 7インストールのための準備
ISOファイルとは?
まずISOディスクイメージを取得する。ISOファイルとはCDやDVDなどの中身を1つにまとめたファイルのことだ。これをイメージファイルなどと呼ぶ。
もともとLinuxなどはCDROMを入れてインストールすることが多い。なぜこの時代にCDROM?と思うかもしれないが、LinuxはOSだからだ。
何もない状態からインターネットにアクセスして、何かをダウンロードし、インストールすることはできない。
ISOファイルをダウンロード
まずは公式ページにアクセスしよう。
出典:CentOS
Get CentOS Nowボタンをクリックする。
ダウンロードに時間がかかるが今回は素直にDVDISOをダウンロードする。
ネットワーク回線が狭い環境の場合MinimalISOを選ぶと良いだろう。MinimalISOは最小構成でインストールするためのISOファイルだ。
他P2P技術を使い、分散ダウンロードするためのTorrentファイルというものと、クラウドコンピューティング用のイメージCloud or Container Imageというものが用意されているが今回は特に気にしなくてよい。
ダウンロードするためのURLの一覧が列挙される。手早くダウンロードするために日本のサーバーを選択しよう。「Actual Country」の下が日本のサーバーだ。
CentOS7 インストール作業
インストール
それではCentOS7のインストール作業に移っていく。CentOS7はGUI(ユーザ画面)が整っていて、インストールもわかりやすい。
今回はVirtualBox上にCentOSをインストールすることにする。VirtualBoxに関して詳しくは下記を参照してもらいたい。
起動すると下のような画面が立ち上がる。
「起動したメディアに破損がないかをテストした後にインストールする」という項目もあるが、まずはそのままInstall CentoOS 7を選んでしまって問題ない。
続いて下記のような画面が立ち上がるはずだ。インストール時の言語設定を選択する。素直に日本語を選んでしまって問題ない。
続いて、インストール概要画面だ。
先ほど日本語をインストーラー言語として設定した場合、地域設定に関しては特に設定を変更する必要はないだろう。SECURITYPOLICY及びKDUMPもそのままで構わない、明示的に指示しなければならないのは、「ソフトウェアの選択」と「インストール先」だ。
もとより、サーバーを構築する場合は「ソフトウェアの選択」も最小限インストールで問題ないだろう。
一番重要なのは「インストール先」だろう。
この項目でパーティション設定を行う。パーティションというのは簡単にいえばHDDやSSD上に仕切りを作るということだ。
Windowsだとはじめから「Cドライブ」や「Dドライブ」のように分かれているはずだ。
LinuxであるCentOSの場合、手動で分けることができる。
パーティションを仕切る理由は管理と保険だ。システムの起動や管理に領域とデータを保存する領域を分けると管理しやすくなるのはなんとなくイメージが付くはずだ。分けないと、データを保存しすぎて、システムに必要なデータが圧迫されて動かなくなる可能性がある。
また、データ保存の領域は色々な人がデータを入れる。誤って壊してしまっても、システムに影響が出ないように部屋を分けておくわけだ。
CentOSを自動構成パーティションでインストールする場合
今回は「自動的構成のパーティション構成」で問題ない。Linuxをとりあえず学習したいというユーザーは「自動構成のパーティション構成」を選ぼう、その場合何も考えずに左上の「完了」をクリックすればよい。初回はこれで十分だ。
下記の手動構成の項目は飛ばして次へ行こう。
CentOSを手動構成パーティションでインストールする場合
「自動構成のパーティション構成」を選択すればここは自動化されるが、このページでは詳細に記述してゆくことにする。入門者の方も以下の手順を頼りにパーティションを設定してみてほしい。
仮に環境を壊してしまったとしてもVirtualbox上なのでWindows環境が破壊されることはないので何回でもチャレンジできる。
手動でパーティションを設定したい場合は「パーティション構成を行いたい」を選択しパーティション設定を行う。
すると下の様な画面が表示されるはずだ。
今回は標準パーティションを3つ「/」「swap」「home」を作る。
まずはLVMから標準パーティションに変更する。
そして+マークをクリックすると次のような画面が出てくる。
マウントする場所と容量を聞かれる。
マウントポイントは手動でパスを設定するかもしくは三角を押して、どこにマウントするかを指定できる。今はマウントポイントを「/」で容量は20GBとする。
割り当てが終わると、詳細が表示される。
デバイスタイプやファイルシステムを何でフォーマットするか?またファイルシステムの暗号化を行うかどうかを指定できる。
特にファイルシステムはxfsで使用上問題になることはないが、ここはLinuxで標準的なext4を使うことにする。ファイルシステムを「xfs」から「ext4」に変更する。
+マークを押して、パーティションを同じように作っていくことになる。swapパーティションを作る。
マウントポイントは「swap」とする。三角マークを押して「swap」を選べばよい。容量は搭載メインメモリと同じか倍がセオリーだ。それ以上swapを割り振ってもおそらくパフォーマンスは発揮されない、もしくはそれほどswapを必要とする場合メインメモリを増設した方が賢明だ。
「swap」というのは、HDDやSSDをメインメモリの代わりとして使うことを指す。当然、読み込み及び書き込み速度はメモリの方が圧倒的にはやい、対してHDDやSSDは速度面で限界がある、そのためスワップを起こすとOS全体の反応は低下する。
「swap」パーティションを作るのは「メインメモリが足りないが何とか運用したい」という場合の「応急処置」だ。
今回は最後に「home」パーティションを指定する。マウントポイントは「/home」だ。割り当てる領域を指定しない場合限界まで容量を割り当ててくれる。
こちらも詳細を確認する。ファイルシステムが「xfs」なので「ext4」に変更する。
今回最終的にこの様な形になった。
データとシステムで項目が分かれているが、CentOSの方が形式上そう言っているだけであって特に極端な意味合はなく、気に留める必要はない。
「完了」をクリックすると、変更履歴と変更を許可するかどうかを最終確認してくる。操作によってこの内容は変わってくるが、変更が正しければ「変更を許可する」をクリック。続いて「完了」をクリックする。
CentOS ソフトウェアの選択
最低限のインストール準備は整ったので「インストールを開始」してしまっても問題ないが、少し待とう。
標準設定では「最小限のインストール」が選択され導入される。
しかし初心者の方に「最小限のインストール」を選択し一から環境を構築しろというのはあまりに投げやりなので、今回は「ソフトウェアの選択」でデスクトップ環境をインストールすることにしよう。
デフォルトでは「最小限のインストール」にチェックが入っているはずだ。「選択した環境アドオン」はそれぞれのオプショナルパッケージだ。特に選択しなくても困らないことがほとんどだろう。またインストール後にパッケージマネージャーであるyumで個別にパッケージをインストールしていった方がクリーンな環境が出来上がることが多い。
今回は「GNOME Desktop」を選択した。他、選択肢として「KDE Plasma Workspaces」などが選択可能だ。選択したら「完了」をクリックする。
ソフトウェアの選択はこれでOKだ。
ネットワークとホスト名
「ネットワークとホスト名」もインストール段階で設定した方がよいだろう。
ここで設定しなくてもインストール後に手動で設定は可能だ、ここもインストール時点では省略可能だが、今いる画面の状態からマウスで設定してしまった方が入門者の方は楽だろう。以下を参照し設定してみてほしい。
しかし、よくわからない!となったら、デフォルトの設定でそのままインストールを開始してしまおう。ネットワークについてはまた後から考えればいい。
上の様な画面になる。認識されているネットワークインターフェイスが表示される。
DHCPサーバーがネットワーク内で有効になっているのならば「オン」にすれば繋がるだろう。
通常の家庭内ネットワークはDHCPが有効になっていることがほとんどだ。特に設定しなくても「オン」にすれば繋がっているだろう。
また今回Virtualboxを標準設定のままインストールしていることを前提としている。この場合「オン」にすれば細かい設定は特に設定に触れなくても問題ない。「完了」をクリックしてインストール作業を続行しよう。
なお手動設定に関しても今回のページでは紹介していく、入門者の方は参考にしてほしい。
DHCPとは自動的にIPを振り分ける仕組みのことを指す、通常ルーターの標準設定で有効になっているはずなので、大概の方はこの時点で接続が確認できているはずだ。
手動でネットワークを設定したい場合は設定を押す。すると下の様な画面が表示される。Ethernet項目は特に触る必要はない。
「全般」は「この接続が利用可能になったときは自動的に接続する」に必要があればチェックをいれる。
セキュリティ設定は認証設定のできる特殊なLanスイッチなどを使っている場合必要な項目だ。入門者のあなたは全く気にしなくても問題ない項目なので、チェック入れないでおこう。
DCB(データセンターブリッジング)その名のとおりデータセンター向けの機能であり、これも特殊な機器が必要だ、入門者の方は特に触れる必要はない。
続いて、IPの設定をする。DHCPサーバーがネットワーク内に走っているのならば、そのままで問題ない。
自動的にネットワークがつながる場合は設定不要だという意味だ。
自分でIPを割り振る場合は方式を「手動」に変更する。
「アドレス」「ネットマスク」「ゲートウェイ」「DNSサーバー」を設定する、今回打ち込んである数字はあくまでも例なので、各々の環境に合わせること。最低限この四つが指定してあれば問題なくネットワークにつながるはずだ。
IPv6に関しては特に必要であれば設定する。今回はデフォルトのまま「自動」にしておく。
ネットワークの設定が終わったらアイコンを「オン」にしておく。ホスト名は任意の名前で構わない。
CentOS7のインストール開始
いよいよインストール開始となる。「インストールの開始」をクリックしてインストールを開始する。
違和感があるかもしれないが、インストール中にrootのパスワード設定と一般ユーザーの作成を行う。
rootのパスワードを設定する。パスワードは英字大小、数字及び記号を混ぜ8桁以上のものを使うこと。
設定し終わったら「完了」を押す。
一般ユーザーも同じ要領で設定する。
フルネームとユーザーネームは被りがあっても問題ない。ユーザー名とパスワードを指定し終わったら「完了」をクリックする。
「高度」を選択すると、ユーザーのディレクトリやユーザーIDやグループIDの指定が出来る。今回はデフォルトのままで問題ない。
一通りの設定を終えたのであとはインストール作業が終わるのを待つことになる。選択したパッケージの数によっては時間がかかる、ほぼエラーすることはないが、念のために経過を見守ろう。
インストールが終了したら「再起動」ボタンをクリックして再起動する。
するとブートローダーが起動する。標準では一番上のエントリーが起動する。そのまま起動させよう。
初期起動時オープンソースライセンスの同意を求められる。同意して問題ない。特に「使用料が発生する」「機能が制限される」といった類のものではないので安心していただきたい。
「1」を押してエンター。
「2」を押してエンター。
「c」を押してエンター。
「c」を押してエンター。完了だ。
正常にOSが起動するとログイン画面が表示される。インストール時に設定したパスワードを入力して「サインイン」する。
初回起動時Gnomeの初期セットアップが表示される、「日本語」を選択し「次へ」をクリック。
次も日本語を選択しよう。
次のセレクト画面だ。基本的にオンラインアカウントと情報を結びつける必要はないので、スキップをクリックする。
これでGnome初期設定は完了だ。
ヘルプが表示されるが、必要なければ×ボタンをクリックして閉じる。
以上で完了だ。
今回いきなりデスクトップ環境を起動したが、最小構成でインストールした場合下の様なログイン画面となる、ユーザー名とパスワードを入力してログインする。
このときパスワードが入力されていないように見えるが正常に入力されているのでそのまま入力しエンターを押す。ログインが完了すれば、プロンプトが表示されるはずだ。
もしも再起動した際に、再度言語選択の画面が表示される場合は、起動時のブートメディアの優先順位を光学ドライブではなくHDDが上にくるように変更しよう。具体的にはBIOSでブートメディアの順番を変更するのだが、端末メーカーやOSによって起動方法が異なっているので、「BIOS 端末メーカー名」で検索して調べてみてほしい。
まとめ
CentOSのインストール方法を細かくまとめてみた。
初心者の方にとってもわかりやすいように、とにかく1画面1画面解説をしているので、この通りに進めばCentOSはインストールできるはずだ。
反対に細かすぎる!ということであれば、デフォルトで一度インストールして、いろいろ試してみよう。
isoイメージをダウンロードして、いきなりインストールですが、DVDに焼く作業はないのですか?
「今回はVirtualBox上にCentOSをインストールすることにする。VirtualBoxに関して詳しくは下記を参照してもらいたい。」
って書いてまっせ。
バナナ軒様 コメントへのご返信ありがとうございます。お返事が漏れておりました。おっしゃる通りこのページではVB上に構築しています。
PCにインストールする場合には焼いた方がわかりやすく使いやすいでしょう。
インストール終了直後の再起動からの黒い画面でのプログラムがうまくいきません
コツはありますか?
起動しない場合、なんらかのインストールミスが発生している可能性が高くなります。再度インストールし直してみるのが一番良い手ではないかと思います。
ありがとうございます、最高です。
記事をお読みいただきありがとうございます。
今後共、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。
もし可能でしたら、centosにclamtkのインストール方法を解説していただけないでしょうか?
初心者なもので、調べてみましたがコメントアウトとするとか書かれていて、全くわからないのです。失敗ばかりしています。
また素晴らしいサイトに出会えました。
これを機会にLinuxを勉強します。ありがとうございました。
ご愛読いただきありがとうございます。
記事の内容についてご要望ありがとうございます。
皆様からご要望いただいておりますので、
順次となってしまうためタイミングとしては未定でございますが、
記事の作成に努めさせていただきます。
今後共何卒よろしくお願いいたします。
端末を使ってC言語をやりたいんですが、emacsを使うと、「コマンドが見つかりません」と表示が出てきます。どうしたらemacsが使えますか?
ご愛読いただきありがとうございます。
CentOSインストール直後の状態ですとemacsは未導入の状態ですので、yumコマンドでのインストールが必要となります。
# yum install emacs
非常に分かり易く、助かりました。
LinuxディストゥリビューションZorinOSとUbuntuのインストールを試みましたが、Vista PCにインストール出来ず、困っていました。CentOSは取り敢えずインストールは出来ましたので、ありがとうございました。
ところで、「オンラインアカウントに接続」の項目の前に、Mozillaに位置情報の取得を承諾するかどうかを聞いてくる項目がありましたので、今後の為にご報告させて頂きます。
ご愛読いただきありがとうございます。
また、ご報告いただきありがとうございます。
引き続き、ご愛読いただけますと幸いです。
インストールソースのところにベースリポジトリーのセットアップ中にエラーと出るんですがどうすればいいでしょうか?
いつもご愛読頂きありがとうございます。
インストールに使用するISOファイルをCentOS公式サイトからダウンロードされたかと思いますが、どの種類のものでしょうか?
(DVD ISO・Everything ISO・Minimal ISOと3種類存在します)
ベースリポジトリーのエラーの原因としましては「Minimal ISOをインストールに使っているがネットワークに接続されていない」状態などがそれに当たります。Minimal ISOの場合は最低限のファイルしか入っておらず、必要なファイルをインターネットから都度ダウンロードしてくるためです。
もしMinimal ISOを使用していた場合には、代わりに記事内で推奨されているDVD ISOでのインストールをお試し下さい。
CentOS7をインストールしてから再起動すると、再度言語選択に戻ってしまいループしてしまうのですがどうしたらいいでしょうか?
いつもご愛読いただき有り難うございます。
起動時のブートメディアの優先順位がHDDではなく、
向学ドライブのほうが上のために再度向学ドライブを読み込んで、
インストール作業に移っている可能性がございます。
優先順位を確認してみて下さい。
引き続きご愛読の程よろしくお願いいたします。
解決しました!ありがとうございます。
はじめまして。
とても分かりやすくご丁寧な解説ありがとうございました。
本サイトを参考にVirtualBox上にCentOS8をインストールできました。
その作業の中で、「774」さんと同様の現象が起きました。
起動時のブートメディアの優先順位を変更したことで解決済みです。
こちらの注意事項も本サイトの解説に組み込んで頂ければ、
より親切になるかと思いました。
解説ありがとうございました。
今後とも勉強させて頂きます。
共有フォルダを使うためにGuist additions CDをインストールしたいのですがうまくいきませんどうしたらいいでしょうか?
CentOSのインストールでデバイス選択→完了押下するとインストールオプションで領域不足と言われます。
どうすればよろしいですか?
インストールで領域不足となる場合には、領域を確保したデバイスが必要となります。Virtualbox等の仮想マシンをご利用でしたら、使用できる領域サイズを確認いただくのが良いかと思います。