LinuxはWindowsのようにマウスを使って操作することもできる。
しかし、本来的な使い方で言えば、マウスを使わずにキーボードだけで操作することが多いだろう。キーボードを使って、「コマンド」というものによりコンピュータを操作していくのが基本だ。
このページではコマンドとは?とコマンドを入力するコマンドラインをどうやって表示するかについてお伝えする。
目次
コマンドとは?
「コマンド」とは直訳すると「命令」になる。あなたはこれから「コマンド」をキーボードで入力して、「コンピュータに命令」をするのだ。
例えば「ls」というコマンドを実行すれば「ディレクトリ内部の情報を表示する」といった具合だ。「コンピュータとの対話」ともいえる。
気を付けていただきたいのは「コンピュータはあなたの命令に対して愚直」だということだ。あなたのコマンドが規則通りであればコンピュータはどんな命令でも従ってしまう。
ファイルやディレクトリを削除する「rm」コマンドなどを間違えて使ってしまった場合もコマンドは実行される。特に削除系のコマンドは気をつけて実行したい。
学習初期段階ではコマンドとそのオプションを覚える作業が多くなりがちだがこれはコンピュータとの対話との「語彙力を鍛える作業」なので、どうしても地道に覚えることになる。
ただ、日常的に使うコマンドは、我々の日本語における日常会話と同じで、自然と身につくので身構えすぎる必要はない。最初は片言で大丈夫だ。
コマンドラインやターミナル
CentOSを最小限構成でインストールした場合標準状態で下記の黒い画面に行く。ここでログインをすれば、コマンドを打つことができる。
GUIが起動している場合も「GNOME端末」を立ち上げるか「Control+Alt+F2」などを押すとコンソール画面になるはずだ。「GNOME端末」を立ち上げる方法はすぐに後述する。
コマンドラインとは?
このコマンドを受け付ける状態とその画面を「コマンドライン」という。ログインすると「$」マークが出てくるので、そこの周辺をコマンドラインというイメージでいいだろう。
コンソールとは?
コンソールとはWindowsでいうコマンドプロンプトのことだ。
Linuxでは合計7つ「F1キー」から「F7キー」まで合計7つまでコンソールが用意されている。
参考書などを読むと、コマンドラインやコンソールやターミナルなどという言葉がどんどん出てくる。難しいかもしれないが、はじめのうちはどれも、この「コマンドを打つ画面」だと思っていただければ十分だ。
エンジニアに聞いても「説明しにくいなぁ」という顔をされる程度の違いなので、理解が進むにつれて把握していけばいい。
GUI環境でコマンドラインを実行するには?
Linuxは上のように黒い画面だけではなく、Windowsなどと同じようにデスクトップ環境を使うこともできる。
しかし細々とした設定や操作は、やはりコマンドラインからコマンドを入力して操作するのが主だ。
CentOSでは以下のようなアイコンをクリックするとGNOME端末が起動する。
この「端末=ターミナル」からコマンドを入力して行くことになる。
実際にやってみよう
とりあえずコマンドを打ってみる
試しにコマンドラインで次のように打ってみよう。
$ ls /
そして「Enter」を押してみる。
このように結果が表示される。
$ コマンド 対象
というのが基本的な使い方だ。次のようにコマンドを使っていく。
- コマンドを発行する。
- それに対する結果が返ってくる
- 再びコマンドを発行する
この繰り返しとなる。味気ないやり取りだが、コマンドをたくさん駆使できるようになると、それらをつなげて一括で複雑な処理が可能になるので、思いのほか便利だ。
そこにたどり着くまで、少しずつやっていこう。
オプションを指定してみよう
試しに
$ ls -l /
としてみよう。先ほどとは違った結果になるはずだ。今回は「ls」コマンドのオプション「l」を指定してみた、1列に並べて詳細表示してくれる。
オプションとは言葉の通り、コマンドの付随機能を呼び出す方法だ。
$ コマンド -オプション 対象
という風に書く。
オプションはコマンドによりけりだ。これも語彙の一種だと思っていただきたい。
lsというコマンドだけでも10個以上のオプションがある。次の記事を参考にしてほしい。
「全部暗記しなければならないのか?」と不安になるかもしれないが、心配しないでほしい。すべてを暗記する必要はない。
使うときに、「インターネットやマニュアルという辞書」を引けばよいのだ。Linuxを使うときには、目の前にコンピュータがあるわけだから、それを使って調べればいい。
Linuxにおけるコマンドとオプションの基本ルール
$ ls -l /
と先ほどコマンドを発行したが、「なぜこうなったのか?」を説明しよう。まず「$」はとりあえず今は「ここから先がコマンドを受け付ける」という認識をしておけばいい。
そのあとの「ls」がコマンドだ。これが命令本体である。そのあと「スペース」をはさんで「-」のあと「l」が来る。スペースはコマンドの切り目でありハイフンはここから「オプション指定」の印だと思えばよい。そして「l」がオプションである。
そしてスペースをはさんで「/」が対象だ。
また複数のオプションはまとめて指定できる。「ls」には「l」や「h」といったオプションが存在する。以下のようにオプションはまとめて表記できる。
$ ls -lh /
「h」は人間のわかりやすい単位で表示してくれというオプションだ。
- コマンドとは「どのようなことをしてほしいか?」
- オプションは「どう動作してほしいか?」
- パラメータは「なにに作用すればいいか?」特に指定しない場合もある。
- この3つの間にはスペースを入れる。
- オプションの前には大体ハイフンが入る。
- オプションはまとめることができる。
ということを意識してみてほしい。
「$」マークの前左側の表記は何?
これはデフォルトだと「あなたのユーザ名」と「どのマシンにログインしているか?」「今どこのディレクトリにいるのか?」という情報が記載される。
これは設定によって自由に定義できる。設定ファイルはユーザ定義の場合「~/.bashrc」システム全体への設定の場合「/etc/bashrc」などで定義されている。
覚えておくと便利なショートカットキー
- Tab 長いコマンドを補完入力してくれる。
- Control+pを押すと前回のコマンドを補完してくれる。
- Control+nを押すと戻る前のコマンドを補完してくれる。
- Control+a コマンドラインの一番最初へカーソルを移動。
- Control+e コマンドラインの一番後ろへカーソルを移動。
次の記事で詳しく説明している。
コマンドの例
いくつか簡単なコマンドを叩いて実験をしてみよう。
$ ls
ディレクトリ内部の一覧を表示する。
$ date
日時を表示する。
$ who
誰がログインしているかを表示する。
$ id
ユーザのidを表示する。
きちんと表示されただろうか?
まとめ
このページでは、Linuxの基本の基本となるコマンドとコマンドラインについてお伝えした。
とにかく今後はコマンドを叩いていくことになる。ぜひ上と同じように実際に作業して感覚を掴んでいただきたい。
初歩的な質問をいたします。
質問は2点です。
OSはWin10です。仮想マシンはhttps://www.shoeisha.co.jp/book/download/9784798141916/detailよりダウンロードしたものを使用しました。
設定は翔泳社の『LPICレベル1 Version4.0対応』を参考にしました。
1)最初は最後まで設定が完了したものの、GUI画面で「GNOME端末」を立ち上げるか「Control+Alt+F2」のやりかたでコマンドラインが表示されませんでした。「アプリケーション」をポインタで選択できない状態です。マウスやペンタブなどが必要になるのでしょうか。
GUI画面で「GNOME端末」を立ち上げるか「Control+Alt+F2」のやりかた以外でコマンドラインの表示の仕方はありますでしょうか。
設定のネットワークが
Qualcomm Atheros QCA9377 Wireless Network Adapter
Realtek PCIe FE Family Controller
の2種類があり、後者を選択しました。ネットワークの設定も関係しているのでしょうか。
2)設定をやり直そうと、一旦Virtual Boxと仮想マシンをアンインストールして再度、設定をし直そうとしたところ、ユーザー名のパスワード設定以降に設定が進まなくなってしまいました。(「実行中」と表示されますが、画面は黒いままです)
この場合、実行中のままにしておけば問題ないのでしょうか。
なにとぞ、ご協力をお願いいたします。
ご愛読いただきありがとうございます。
1) キー入力について
VirtualBoxで立ち上げた仮想マシンでは、CtrlやAltキー等の特殊キーはホストOSであるWindows側で制御されてしまうため、そのまま左Ctrl+Alt+F2~F6を押しただけではゲストOSにその通りには送信されずコンソール画面に移行しません。
ではどうすれば良いかといいますと、普段はフォーカスをホストOSに戻すためのホストキーとして使っている【右Ctrlキー】を使用します。「右CtrlキーはゲストOS上でCtrl+Altキーとしてみなされる」ため、右Ctrl+F2~F6でコンソール画面に移行します。右Ctrl+F1でGUI画面に戻ります。
2) 画面が進まなくなる現象について
こちらで状況確認と再現が難しいため的確なお答えはできませんが、処理に時間がかかっているだけの場合もあります。
今後とも、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。
ubuntuをはじめて3年目になる者です。現在VAIOのVGN-NS50HB(32bit版)を使用していますが
日本語入力が上手く出来ません。また、32bit版については、ubuntu18.04LTSにグレードアップなどが対応しなくなったのか、出来ずに困っています。HDDは250GB,メモリーは2GHzですが、不足があれば追加したいと思います。
①18.04へは18年にはグレードアップできたのです(自動的に)。また日本語対応で
UBUNUの勉強に役立った。グレードアップの方法をぜひご教示お願いいたします。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
こちらでも確認致しましたところ、Ubuntu 18.04 LTSは「長期サポート版(LTS版)」のためリリースより5年間、2023年4月までサポートされることになっておりますが、次の長期サポート版として予定されている20.04LTSではi386版(32ビット版)の廃止も検討されています。
そういった中で18.04LTSから18.10(LTSがついていない通常サポート版)へバージョンアップした際には2023年4月よりもサポート期間がずっと短くなってしまう可能性があるため、18.04LTSの32ビット版は20.04LTSの32ビット版が出るまでは自動バージョンアップの対象外となっているようです。
(ただし20.04LTSまでに32ビット版の廃止が決定した場合には18.04止まりとなります)
64ビット版にはこういった制約がなく、自動バージョンアップについても継続的に提供されていくものと思われますので、移行についてもご一考頂いた方がよろしいかと思います。
今後とも、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。