VagrantとはVirtualBoxなどを利用した仮想環境を作る便利なソフトウェアだ。
VirtualBoxなどで仮想マシンを作るとき、面倒なことは多い。別画面に映ったり、GUIから諸々を操作したりと、初心者にとってはわかりやすいが、エンジニアにとってはてまで仕方がないことも多い。
それをできる限り簡単にして、便利に使えるようにしたのがVagrantになる。
このページではVagrantのインストール方法と初歩の初歩的な使い方をお伝えした。参考にしていただければ幸いだ。
目次
Vagrantとは?
What is the Vagrant?
VagrantはVirtualBoxやVMwareの「コマンドラインのフロントエンド」として動作する。
比較的に簡単なコマンドを叩くだけでVirtualBoxやVMwareなどの仮想マシンを管理できるようにっている。Vagrantを使用すると、Boxというイメージと構成情報を記述した設定ファイルを元に、仮想環境の構築から設定までを自動化することもできる。とにかく便利なツールだ。
いつ使うの?
Vagrantはいわば構成情報というレシピから、環境を構築していくのがお仕事となる(ただし今回は大掛かりなものは使わない)。そのレシピを共有することも可能である。
一度構成情報を作り上げてしまえば、何度でも繰り返して使用できるので、実験環境の構築から、本番環境構築手順自動化など仮想マシンを操作するうえで、面倒くさいことを自動化するのに非常に役立つ。
例えば、お試しで環境を作って、色々と実験をしてみたいとき。例えば、開発環境を他の人とも共有してみんなで使いたいとき。などなど、様々な利用方法がある。
仮想化を迅速に自動化できるのでぜひ触れてみてほしい。
Vagrantをインストールしよう
ここではWindowsでご紹介するが、Macでもほとんど同じなので、この流れでインストールしていただければと思う。
まずは公式ホームページから「Vagrant」をダウンロードしてこよう。
出典:Vagrant
ダウンロード先は以下になる。「Windows」を選択してダウンロードしよう。
出典:Vagrant
取り敢えずデスクトップにダウンロードすると、以下のようなアイコンが出来上がる。ダブルクリックして実行しよう。
するとインストールウィザードが起動する。基本的にウィザードに沿って道なりにインストールすればよい。「Next」をクリックしよう。
ライセンスに関しての情報だ、チェックボックスにチェックを入れて「Next」をクリックしよう。
インストール先を聞かれるが特に変更する必要はない。「Next」をクリックしよう。
必要な情報が揃ったので「Install」をクリックしてインストールを開始しよう。
少々待つと以下のような画面になるので「Finish」をクリックしてウィザードを閉じよう。
設定を反映するために、再起動を促されるので再起動しよう。
以上で「Vagrant」のインストール自体は完了となる。インストールされてもアイコンなどは追加されないので「ファイル名を指定して実行」のところで「cmd」として、コマンドプロンプトを立ち上げてから「vagrant --version」としてバージョン情報を表示してみよう。
バージョン情報が表示されたなら、正常にセットアップされている。
インストールが完了したら確認すること
Vagrantは単体では能力を発揮しない、仮想化ソフトウェアなどとセットで使用することになる。これからは基本的にVirtualBoxを使用して、簡単な実験を行う。
なのでVirtualBoxをセットアップしていない方はこちらを参照してVirtualBoxをセットアップしよう。
Vagrantの使い方
まずはBoxファイルを追加する。BoxとはいわばOSのイメージファイル群だ。
以下のURLにリストがあるのでお好みのBoxを選んでURLをクリップボードへコピーしておこう。
試しにコマンドプロンプトにて
vagrant box add CentOS7-test https://github.com/tommy-muehle/puppet-vagrant-boxes/releases/download/1.1.0/centos-7.0-x86_64.box
としてみよう。URLの部分は各々の選択したURLを指定すればよい。
次に作業用のディレクトリを作成する。
C:¥Users¥ken>md CentOS7-test
C:¥Users¥ken>cd CentOS7-test
Macユーザの方はmkdirで作成すればいい。(GUIで作ってもOK。右クリックフォルダ作成で十分だ)
続いてBoxを使用するために初期化作業を行う。vagrant init コマンドを使う。
C:¥Users¥ken\CentOS7-test>vagrant init Centos7-test
ディレクトリの中を見てみると「Vagrantfile」というファイルが出来上がっているはずだ。
こちらを適当なエディタで編集していく。Macの方はviでそのまま編集してしまうのが楽だろう。
35行目のコメントをアンコメントする。ここは仮想環境のipアドレスを指定する部分だ。
それが終わったら、起動してみよう。
>vagrant up
とコマンドをたたいてみよう。いろいろな文字列が出力されるが、今は気にしなくても大丈夫だ。しばし時間がかかるが、正常に起動すればプロンプトが返ってくる。
これで仮想マシンが起動している状態となる。ただしGUIな画面は出てこない。
なのでSSHを使用してログインすることになる。試しにログインしてみよう。今回は「TeraTerm」を使用してログインしてみた。なお「TeraTerm」はこちらから入手可能となっている。
https://ja.osdn.net/projects/ttssh2/
単にSSHクライアントで接続できれば良いのでTeraTerm以外のSSHクライアントでも問題ない。MacだとそのままSSHコマンドで構わない。
仮想マシンに接続するための情報は以下のようになっている。
1 2 3 4 5 6 7 |
アドレス:192.168.33.10 ポート:22 ユーザ名:vagrant パスワード:vagrant |
となっている。
仮想マシンを停止するにはWindowsのコマンドプロンプト上で
>vagrant halt
とする。
ちなみにこの状態でVirtualBoxを確認してみると。仮想マシンが登録されていることが確認できる。
これで起動やログイン、停止ができた。あとは好き放題にいじっては壊し、いじっては壊しを繰り返していただいて構わない。
世界中のエンジニアが様々なBoxを作っており、自身で試したい環境がほぼすぐに手に入る。例えば、「PHP・MariaDB・CentOS7の環境を試してみたいな」と思ったら、検索すれば複数見つかるだろう。ぜひ様々なBoxを引っ張ってきて、試していただければと思う。
まとめ
このページではVagrantのインストール方法と最初の一歩的な使い方について解説した。かなり便利なツールで、Linuxエンジニアよりもプログラミングを書く側のエンジニアの方が重宝するだろう。
ぜひ使い方を理解して、マスターしていただければと思う。
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