groupaddはグループを追加するLinuxコマンドだ。
このページでは基本的なグループの考え方と、groupaddコマンドによるグループの作成方法を説明する。
groupaddはサーバを管理する上で必須コマンドだ。参考にして頂ければと思う。
groupaddコマンドの基本
コマンドの基本動作
Linuxのグループについて全体像を知りたい方は下記のページを先に確認してほしい。
グループの追加は、一般ユーザーでは操作できない。スーパーユーザーなど、管理者権限を持つアカウントで操作する。
任意のグループ名でグループを追加するのは、次のとおり簡単だ。
$ groupadd グループ名
グループを追加するにはこれだけだ。
コンプライアンス部グループ(Compliance)を追加するには次のコマンドだ。
$ groupadd Compliance
Complianceグループが作成された。
実際に作成されたか、/etc/groupの内容を確認してみよう。
$ cat /etc/group
このように、Complianceグループが作成されている。基本的な使い方はこの通りだ。
groupaddコマンドのオプションたち
コマンドの一覧
後から詳細をご紹介するが、まずは一覧で見てみよう。
オプション-g(オプション--gid GID)
グループ番号(GID)が任意の番号のグループを追加する
オプション-o(オプション—non-unique)
他のグループと重複するグループ番号(GID)のグループを追加する
オプション-p(オプション--password PASSWORD)
パスワード付きのグループを追加する
オプション-f(オプション--force)
すでに存在しているグループ名があったときにエラーを表示しない
詳細を説明する。
-gオプション(--gid GID)オプション:グループ番号(GID)が任意の番号のグループを追加する
グループ番号(GID)を任意の番号に指定したい時は、次のコマンドだ。
$ groupadd -g GID グループ名
デバッグチームグループ(Debug)を2050番のGIDで登録したい時は、次のコマンドだ。
$ groupadd -g 2050 Debug
Debugグループが2050番のGIDで作成された。
実際に作成されたか、/etc/groupの内容を確認してみよう。
$ cat /etc/group
Debugグループが2050番のGIDで作成されている。
-o オプション(--non-unique)オプション:他のグループと重複するグループ番号(GID)のグループを追加する
通常、同じグループ番号(GID)は1番号に1グループが組み付いて管理されている。
デバッグチームグループ(Debug)と同じ2050番のGIDでTeamAグループを作成してみよう。
$ groupadd -g 2050 TeamA
エラーが表示され、登録されない。
もしも、同じグループ番号で違うグループ名を管理したいときは次のコマンドだ。
$ groupadd -g GID -o グループ名
ライセンス事業部グループ(License)を、デバッグチームグループ(Debug)と同じ2050番のGIDで登録したい時は、次のコマンドだ。
$ groupadd -g 2050 -o License
Licenseグループが2050番のGIDで作成された。
実際に作成されたか、/etc/groupの内容を確認してみよう。
$ cat /etc/group
Licenseグループが2050番のGIDで作成されている。
-pオプション(--password PASSWORDオプション):パスワード付きのグループを追加する
グループにパスワードを指定しながら作成したい場合は、次のコマンドだ。
$ groupadd -p パスワード グループ名
秘書室グループ(Secretary)を、パスワードPASSWDを指定し作成する時は、次のコマンドだ。
$ groupadd -p PASSWD Secretary
Secretaryグループがパスワード付きで作成された。
実際に作成されたか、/etc/groupの内容を確認してみよう。
$ cat /etc/group
Secretaryグループが作成されている。
-fオプション(--forceオプション):すでに存在しているグループ名があったときにエラーを表示しない
同じグループ名、同じグループ番号(GID)で複数の登録をすることはできない。
GIDに関しては-gオプションでもできるが、グループ名は重複できない。
すでに登録されているコンプライアンス部グループ(Compliance)で登録してみよう。
$ groupadd Compliance
エラーが表示され、グループは追加されていない。
このエラーを表示しないようにするオプションが-fオプションだ。
エラーが表示されないだけで、実際にグループが上書き作成されるのはなく、重複の場合はグループの作成自体が中止される。
グループを作成した時に同じグループ名が存在していてもエラーを表示しないようにする場合は、次のコマンドだ。
$ groupadd -f グループ名
すでに登録されているコンプライアンス部グループ(Compliance)で登録し、エラーが表示されないようにするには、、次のコマンドだ。
$ groupadd -f Compliance
エラーは表示されない。
-fオプションと-gオプションを同時に使用し、すでにあるGIDに対してグループを作成すると、グループは別のGIDで作成される。
すでに登録されている2050番のGIDとして、TeamZグループを登録してみよう。
$ groupadd -g 2050 -f TeamZ
どのように作成されたか、/etc/groupの内容を確認してみよう。
$ cat /etc/group
TeamZはGIDが指定した2050番ではなく、2052番として登録された。
groupadd関連コマンド
最後にgroupaddコマンドに関連して、基本的なグループ関連、及びアクセス権限関連のコマンドも紹介しておく
groupmodコマンド
グループの設定を変更する。
groupdelコマンド
グループを削除する。
useraddコマンド
ユーザーを追加する。
usermodコマンド
ユーザーの設定を変更する。
userdelコマンド
ユーザーを削除する。
chownコマンド
ディレクトリやファイルの所有者を変更する。
chgrpコマンド
ディレクトリやファイルにアクセスできるグループを変更する。
chmodコマンド
ディレクトリやファイルのアクセス権を変更する。
まとめ
今回は、groupaddコマンドを使ったファイルやディレクトリにアクセスするグループの追加の方法を解説した。
グループはファイルのアクセス権に関する重要な設定だ。Linuxサーバーの管理者は必須のコマンドである。
ぜひ理解し、活用して欲しい。
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