LPIC level1はLPICで受ける最初の試験だ。
LPIC level1の難易度はどれくらいだろうか? Linux初心者でも誰でも受かる? いや、Linuxエンジニアであっても落ちるくらい難しい? 色々な話を聞くと思う。気になるLPIC level1の難易度についてまとめてみた。
どのくらいのスキルだったら受かるのか? LPIC level1の対象者や合格率。また合格点や試験時間などの情報をまとめている。
また、サンプル問題もいくつか用意した。LPICを受けようと思っているのであれば、解いて参考にしてみてほしい。
目次
LPIC level1の難易度まとめ
LPIC level1の対象は?
LPIC level1はLinuxシステムの運用や管理、構築の一部ができることを証明するための試験になっている。これだけ聞くとLinux初心者では受かることはなさそうだが、実際にはそんなことはない。
就職や転職、また企業内での昇格や昇進に有利な資格とされており、初心者から勉強して受ける人の割合が意外と高い。
もちろん、それ相応の勉強が必要だ。要はどれだけLinuxを勉強して、LPICの対策したかが大切になってくる。無勉強であれば現役のエンジニアでも落ちてしまうこともある難易度だ。
LPICの合格点は?
LPICの合格点は公表されていない。
予測値になるが、65%以上の正解で合格だと思っていい。だいたい60問の問題が並ぶので、40点取ると合格ということになる。
TOEICなどと違い点数そのものが価値を発揮するわけではない。そのため、満点を取りに行く必要はない試験だ。完璧にすべての項目を覚えていなくても、合格できる。
練習問題で、7〜8割コンスタントに取れるようになったら受験しに行ってしまおう。満点を目指すよりも、LPIC level2やlevel3にチャレンジする時間に使ったほうが有益だ。
LPIC level1の合格率はどれくらいか?
LPIC level1の合格率は公表されていない。だが、予測することはできる。
・2016年3月時点のLPIC 累計受験者数が274,000人
・LPIC level1の合格者は65,000人
・LPIC level2の合格者は20,000人
・LPIC level3の合格者は11,000人
全試験の合格率が同じだと仮定すると、35%となる。実際にはLPIC level1がもっとも簡単であることからも50%程度は合格率があると予測される。
ただ、いくら合格率が高くとも受験料はLPIC101とLPIC102の両方で3万円かかる。どちらも一発で合格できるように準備すべきだろう。
問題の形式や難易度は?
LPICは選択式の問題と記述式の問題の両方が出題される。選択式の問題が8〜9割、記述式の問題が1〜2割程度になっている。
ただ、選択式とはいえ、「2つ選べ」や「3つ選べ」という問題も出てくる。こうなると勘だけでは厳しい。
例えば6つの選択肢から1つ選ぶのであれば、正解確率は17%だ。しかし、6つの選択肢から2つを選ぶとなると、確率は7%まで落ちる。
選択式が多いとはいえ、勘だけではななかなか受からないというのをわかっていただけただろうか。実際には、4つや5つの選択問題が多いため、10%程度の確率では当たる。時間がなくなったときとりあえず入力しておくのは大事だ。
また、記述とは言え、コンピュータが採点できる程度の内容となる。コンピュータに難しく、複雑な記述は判定できない。記述問題でよく出題されるのはコマンド名やコマンドのオプション、ディレクトリ名だ。例えば、「隠しフォルダもすべて表示するlsコマンドのオプション」を答えよ、などの問題がでてくる。日本語の記述問題はない。
LPIC level1の試験時間は?
LPIC101、LPIC102ともに1.5時間が試験時間となる。試験時間が足りなくなるということはまずないだろう。ゆっくり解いても半分程の時間で終わる。そういう意味でも難易度はそこまで高くない。
しっかりと、見直しに時間を使おう。
LPIC level1の試験範囲は?
LPIC101とLPIC102の試験範囲は次のとおりだ。
LPIC101
主題101:システムアーキテクチャ
ハードウェアやLinuxのブートなどアーキテクチャに関する問題主題102:Linuxのインストールとパッケージ管理
ハードディスクやブートマネージャーのインストール、パッケージ管理の問題主題103:GNUとUnixのコマンド
コマンドライン操作やviによる基本的なファイル編集主題104:デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準
パーティションやファイルシステムの作成、リンクなどの問題
LPIC102
主題105:シェル、スクリプト、およびデータ管理
シェアルスクリプトやSQLの問題主題106: ユーザインターフェイスとデスクトップ
XWindowSystemやディスプレイマネージャの問題主題107:管理業務
ユーザやシステムの管理業務に関する問題主題108:重要なシステムサービス
システムの時刻設定やプリンター、メールの設定などの問題主題109:ネットワークの基礎
基本的なネットワークの知識確認問題主題110:セキュリティ
基本的なセキュリティの確認。秘密鍵・暗号鍵など
Linuxエンジニアだったとしても、XWindowSystemやファイルシステムの詳細などは、LPICではじめて勉強する人もたくさんいるはずだ。
Linux上で何が起きているのかの詳しい知識が身につくのは、エンジニアにとって価値のあることなので、ぜひ勉強してみてほしい。
LPIC level1対策
LPIC level1に21日でうかるための勉強方法
LPICに21日で受かるための勉強方法は次のリンク先でまとめている。10日間で102を受かり、11日間で102を受かる対策法だ。
ただし、Linuxが完全初心者の方にはこの日程では厳しい。はじめの5〜10日くらいはLinuxの基礎勉強に使おう。
Linuxの基礎勉強にオススメなのは、「1週間でLPICの基礎が学べる本」だ。非常にわかりやすくLinuxについてまとまっている。また、もちろん名前のとおりLPIC Levlel1の対策にもなるので、オススメだ。
すでにLinuxをある程度知っているよという方は、あずき本と呼ばれる書籍をオススメする。ここまで詳しい情報はいるのか?と思うかもしれないほど、分厚く、文字も小さく、解説が行われているテキストだ。すべて覚える必要はないが、現場で長く使える知識を身につけるという意味でも読む価値があるだろう。
問題集ではスピードマスターがオススメだ。かなりの精度でLPICの実際の試験と同じ問題が出る。
また、参考書についても下記でまとめている。こちらも参考にしてほしい。
LPIC level1合格におすすめのLPIC問題集ベスト5
LPIC level1のサンプル問題にチャレンジ
LPICのサンプル問題を用意した。3問だけなので手っ取り早い力試しにチャレンジしてみてほしい。
LPIC leve1 サンプル問題 1
グループからユーザを削除するコマンドはどれか? 1つ選択しなさい。
A. groupmod
B. passwd
C. usermod
D. userdel
LPIC leve1 サンプル問題 2
umask値が「022」の場合、ファイルを新規作成した際のパーミションとして、正しいものはどれか? 1つ選択しなさい。
A. 755
B. 644
C. 533
D. 422
LPIC leve1 サンプル問題 3
IPv4の一般的なプライベートアドレスはどれか? 3つ選択しなさい。
A. 1.1.0.0
B. 10.0.0.0
C. 172.16.2.0
D. 192.168.255.254
E. 225.0.0.0
解答
サンプル問題1 解答C(usermod)
groupmodはユーザを変更することはできない
サンプル問題2 解答B(644)
デフォルト666から022を引く
サンプル問題3 解答 B,C,D
結果はどうだっただろうか? これらはLPIC level1の典型的な問題になっている。これが解けなければ、しっかりと勉強をしてからLPICにチャレンジしたほうがいいだろう。
他にも典型問題をまとめている。興味があれば、次のページも確認してほしい。
まとめ
LPIC level1の難易度や受験方法、合格率について把握できただろうか? LPICはLinuxエンジニアにとってスキルを証明する便利な手段となる。また、勉強そのもののもとても役に立つのでぜひ参考にしてほしい。
level1の難易度はそこまで高くない。そのため、時間が許せばLPIC level2にもチャレンジしてほしい。level1以上に色々な場面であなたの役に立つはずだ。
コメント